心理カウンセラーの風湖です。



 昨日、私が毎週行っているオンライン心理学講座があり、私は参加してくださった皆さんに向けて、「正しい人よりも魅力のある人に。」というテーマでお話をさせていただきました。



 私達は、普段から「正しい」と思っていることを守りながら生きていますが、それは、実はあまり楽しくないことの方が多いと思いませんか?



 先日、岡本太郎さんの本を読みました。



 芸術家の岡本太郎さんは、漫画家で作詞家の岡本一平さんと、小説家の岡本かの子さんという、2人の天才から生まれた人です。



 岡本太郎さんは子供の頃、父親から
 「雲は何色だ?」
 と、聞かれ、
 「白」
 と、答えると、
 「お前には白に見えるのか?」
 と、言われたそうです。



 そして、
 「白に見えてもいいけれど、白に見えないこともあるだろう?」
 「赤に見えたら赤に描け。青に見えたら青に描け。みんなが白と言うから白に描くのはやめなさい。」
 と、言われたのだそうです。



 見えたものが自分にとって真実なのだから、その一面だけを見て、勝手に決め込むことは、「正しい」ことかもしれませんが、「楽しい」ことではありませんよね。



 心理学の授業中に、私がそのような話をしていたら、ある小学生の男の子を持つ母親の生徒さんが、こんなお話を教えてくださいました。



 ある理科のテストで、
 「氷が溶けると何になりますか。」
 という問題に対して、その正しい答えは、
 「水になる。」
 となりますよね。



 しかし、ある1人の子供は、
 「春になります。」
 と、答えたのだそうです。



 それが教育委員会で報告されて、
 「これは×にすべきでしょうか?」
 という話題になつたのだとか。



 子供達には、様々な個性があって、様々な感性があります。
 その感性に対して正しいとか間違っているとかは、誰にも判断できないはずです。




 子供が人と違ったことを言ったときに、その感性を誰に笑われようとも、そこで正しさを教えるのも良いことなのかもしれませんが、大人がそれを「面白いね。」と、肯定してあげることの方が大切なのではないでしょうか。



 私は、そのような特別な感性を持っている人が、「魅力的な人」なのではないかと思うのです。



 もちろん、子供には正しさを教えてあげる人もいなくてはいけません。

 そのときはぜひ、優しい声と笑顔を忘れないで欲しいなと思います。