心理カウンセラーの風湖です。



 あるセミナーを開いた時、参加者の皆さんに、
 「欲しいものを50個書いてみてください。」
 と、お願いすると、
 「車が欲しい、時計が欲しい、別荘が欲しい、資格が欲しい…。」
 など、皆さん50個すぐに書いてくれます。



 しかし、「では、同じ数だけすでに手に入れているものを書いてください。」
 というと、皆さん躊躇してしまい、50個書くことはなかなかできません。



 なぜなら、私達は常に足りないもの、持っていないもの、手に入れたいものだけを見つめて生きているからなのです。



 また、そのほかに、
 「その欲しいものを、今すぐ手に入れない理由を教えてください。」
 というと、
 「時間がない、お金がない、勇気がない、失敗したくない…。」
 と、今度は次々と理由を答えてくださいます。



 私達は、人生においていつも「何か」が物足りないと思ってしまう癖があります。
 



 「成績を上げるために、もっと勉強しなければいけない。」
 「今以上の成果を出すために、もっと働かなくてはならない。」




 などと教えられたきた結果、ほとんどの人は、上昇志向や向上心に常に追い立てられ、今の自分に満足出来ないので、そのままの自分に安らぎを感じることが出来ません。



 「夢が叶っていないのは、自分の頑張りが足りないからだ。」
 と、考えていつも「足りないもの」を探しているのです。



 けれど、
 「自分にはあれが足りない、これが欲しい。まだまだもっともっと。」
 と、言い続けるかぎり、いつまでも満たされることはありません。



 なぜなら、本当にあなたが欲しいものは、あなたが頑張った結果として手に入るものではないからです。



 「必要なものはすでに整っている。」
 ということに気づき、そのことに「ありがとう」と感謝できれば、夢も希望も持たなくても、何かが足りないと思わなくても、幸せを感じることが出来るのです。



 あなたはあなたのままでいいのです。
 自然体のあなたを愛することができた時、幸せは常にあなたの足元にいるのですから。



 今年もあと少しです。
 師走だからと焦らずに、今年のあなたに納得して、今持っている全てに感動して、ゆったりと年末を迎えるのも悪くないのではないでしょうか。