心理カウンセラーの風湖です。
先日、心理学のセミナーを開催したときに、43歳のある男性が参加してくださいました。
その方は、30代の前半に脳梗塞で倒れ、右半身が不自由になってしまい、それからずっと杖がなくては歩けなくなってしまったそうです。
「実は、本当はわかっていたのです。ずっと血圧も高かったし、健康診断ではお酒をやめるように医者から言われていた。頭痛も酷かった。」
「しかし、お酒もタバコも不摂生な生活もやめられなかった。自分に甘かったんです。」
その男性は、とても体格が良くてガッチリした方でしたが、少し節目がちに、そして優しい笑顔でそう話してくださいました。
それでも失意の底から心理学の本を読み始め、野球で活躍していた有名な選手だった過去の経験から、スポーツ選手たちのメンタルを支えるコーチになりたいと、これから私の担当するクラスで心理学を学んでくださるそうです。
なるほど元スポーツマンだったということがうなずける、非常に明るくてさわやかな方でした。
笑顔がとても人懐っこく、しかもとても美しい方でした。
「自分は若い頃、いろんなことにあれこれと文句を言っていたけれど、病気をして身体が動かなくなったことで、本当に感謝の意味がわかるようになりました。」
というお話を、私や他の参加者のみなさんに話してくださいました。
自分の仕事がうまくいかない、恋愛関係や人間関係がうまくいかないと言っている人の共通点はひとつ。
「感謝」の、本当の意味でがわかっていないのだと思います。
全部に感謝をしてしまうと、世の中や人生が完全に変わります。
でも、「自分を変えよう」と思って一生懸命やっているというのは、「今の状況が気に入らないぞ!」と、不満を持っているということなので、状況はかわりません。
相手に対してイライラする、今の仕事は嫌いだから職場に行きたくない、というような感想や評価を全部やめてみると、自分だけがが愚痴や泣き声ばかり言っていて、心の中に眠っているあなた独自の能力に気づかないままでいることになってしまいます。
全部、自分の中に解決策はあるのです。
そのためには、すべて受け入れて、感謝をしましょう。
そして誰かのために自分に出来ることを見つけて、今日から学び始めましょう。