心理カウンセラーの風湖です。



 楽器の調律に使う、「音叉」というものがあります。



 同じ大きさのその音叉を2本持ってきて、一本をポンと叩くとビィーンと唸っているのですが、その叩いた方の音叉を手でピッと止めると、当然音は止みます。



 ところが、音が止んでも耳をすましていると、どこからかビィーンと音が聞こえてきます。



 実は、叩いた方の音叉ではなく、誰も触っていないはずの、並んでいるだけのもうひとつの音叉が自然に唸っているのです。



 これを共鳴共振というのだそうです。
 同じ素材、同じ重さで出来ているので、叩いて同じ振動で震えるものは、一つが鳴ればもうひとつも共鳴するのです。



 これは、人の感情にも同じ効果があると私は思います。
 誰かが笑うと、なぜその人が笑っているのかもわからずに、笑っている人の影響を受けて隣の人も笑い出したりしますよね。



 ドイツの文豪ゲーテは、こんな言葉を残しています。
 「人間の最大の罪は、不機嫌である。」



 人間の最大の罪は、殺人とか、窃盗とか、裏切りとかではなく、不機嫌だと言うのです。



 不機嫌な人は、1人や2人に影響を及ぼすのではなく、その人が接するすべての人を不機嫌にするのです。
 不機嫌を撒き散らしながら歩いているのですね。



 もしも目の前にそのような人がいたら、いつもより大袈裟に上機嫌で、素敵な笑顔で接してみることをお勧めします。



 闇に光が入っていくと、その空間は途端に明るくなりますよね。



 つまり、その不機嫌のビィーンという音叉の波動は、明るく楽しく幸せに笑っている波動のほうに掻き消されてしまうのです。



 ですから、たとえ病気の人のお見舞いにいくというときでも、素敵な笑顔と上機嫌の波動をお土産に持っていってあげれば、もしかしたらきっとその人の病気まで回復に向かわせるのかもしれません。



 いつも、笑顔という音叉を持って出かけましょうね。