心理カウンセラーの風湖です。



 『般若心経』に書かれている、「五蘊皆空」という言葉があります。



 「五蘊」とは、重い、軽い、暑い、寒いなどの自分の「捉え方」のことです。



 「空」とは、重さが80キロであるとか、気温が25度であるという事実のことです。



 その「空」を、心地よいとか悪いと決めることを「五蘊」といいます。



 そして、その良し悪しを決めるのは、自分。
 つまり私達は、自分の価値観だけの判断で、幸せとか不幸せとか言っているのです。



 「不幸という名の現象は存在していない。そう思う心があるだけ。」
 反対に、
 「幸福という名の現象も存在していない。そう思う心があるだけ。」
 と、言うこともできます。



 お金があれば幸せ。
 お金がなければ不幸。


 健康なら幸せ。
 病気なら不幸。

 
 高級車に乗れば幸せ。
 事故をおこしたら不幸。



 しかし、絶対的な価値を持つものとして、誰もが認める幸せ、不幸せという名の現象、物体は今も過去も存在していないのです。



 何故なら、「幸せ」は、「私」にだけ存在するものだからです。



 幸も不幸も、勝ちも負けも、成功も失敗も、敵も味方も、全部世の中には存在していないのに、自分がそうだと決めているのです。



 しかし全ては何もないゼロ現象なので、お釈迦様は「五蘊皆空」と言ったらしいのです。



 全ては「空」だと考えると、自分はなにを指して「辛い」と悩み苦しんでいたのかわからなくなってきませんか。



 そのように捉え方や考え方を変えてみると、私達の考える一般常識も、全て自分の偏見だったのではないかと気づくのです。