心理カウンセラーの風湖です。
日本人は明治以降、「競い合う、比べる、争う」という教育を教え込まれて来ました。
これはもともと、西洋人的な教育なのだそうです。
日本人はもともと仲間を大切にして、より集まって生きてきたのです。
しかし、現代人は、「足りないものを手に入れ、向上し、他人よりも抜きん出ること」が「人生の目的」だと教え込まれてきたのです。
たとえば「後出しジャンケン」をしたとしますね。
後出しジャンケンとは、「ジャンケンポン」と言って、私がグーを出し、その1秒後にあなたはパーを出して、私に勝つというゲームです。
そういうルールで5回勝負したら、ほとんどあなたが5連勝するはずです。
次に、後出しジャンケンで、私がチョキを出し、その1秒後にあなたはパーを出して私に負ける。
そういうルールで5回勝負すると、5連敗できる人は半分くらいしかいなくなります。
後出しジャンケンで「勝つ」のも「負ける」のも、情報処理量は同じです。
どうして「負ける」ことのほうができにくいのでしょうか。
それは、私達は日頃から「勝つ」訓練ばかりしているからです。
頭の中が「勝つぞ」「闘うぞ」という意識ばかりで生きているのを、そろそろリセットしたほうがいいと思います。
「負けてもいいや」
「いや、むしろ負けちゃおう」
というときは、全く身構えず、緊張しないので、リラックスできて潜在意識が目覚めてくるのだそうです。
ですから、自分の潜在意識を目覚めさせるためには、ジャンケンで負ける訓練をするのは、なかなか効果がありそうですよね。
実は、人生において「勝ち負け」「勝利」「成功」というものを頭の中から全部取り去ってしまった方が、楽なんです。
実際、そんなものは何の意味もないのですから。
「競って、比べて、争って、自分の思い通りにしよう。」とするのではなく、「世の中はそもそも、思い通りにならないもの。」と、諦めて受け入れた方が、日本人に適している解決方法なのではないでしょうか。
家に帰ったら、深くため息をついて、天井を見ながら、
「あー、私の人生ってものすごくラッキーかもしれない。」
と、独り言を言ってみてください。
その独り言は、聞いた人の心を温かくして、聞くたびに幸せを感じます。
そして、この言葉を聞いていると心地よく、体が元気になって活性化するので、
「もっとこの人のそばにいたい。この人のためにいろんなことをしてあげたい。この人の味方になりたい。」
と、思ってくれます。
自分に厳しい人は、他人にも厳しい。
誰かと戦わないためには、人に寛容になって、さらに自分を許すことです。
自分に対していい加減になることであり、自分で自分に甘い人になること。
それが自分を許すということです。
許すことができた人は、緩ますことができ、神経の痛みまでがなくなります。
簡単なことですね。
誰かの目線とは関係なく、自分にとって嬉しい楽しいこととはなんなのか。
それを考えるだけで、誰かと闘うことは無駄だと気づくことができるのですね。