心理カウンセラーの風湖です。
幼い頃は、誰もが幸せでした。
公園で遊んだり、海やプールではしゃいだりしました。
その頃は、自分の家の周りしか知らなかったし、一生その場所で暮らすのだと思っていたのかもしれません。
今と同じように曇りの日もあれば、晴れの日もありましたが、日々の生活は同じようで、それに満足していたはずです。
それでも成長するにつれ、私達は良いことよりも悪いことの方が多いと感じるようになって来ました。
子供の頃には思わなかったのに、これまでこんなに悪いことがたくさんあるのに気づかなかったのは何故だろう?と、思うようになりました。
そして人は、歳を重ねるごとに、人はどんどん憂鬱になっていくものなのかもしれません。
いろんな仕事をしてみても、どれも望んでいたものとは違っていると感じます。
上司からいつも間違ったことばかりしているように思われていて、よくやったことにはまるで気づいてもらえません。
自分は大勢の従業員の1人でしかなく、真面目に働いても働かなくても、誰にとってもなんの影響もないように思えます。
頑張っても頑張っても、自分自身にすら目に見える成長は感じられません。
しかし、家族や友人達に相談しても、「そのうち良くなるよ。」と、言うだけです。
なんの因果か、私達は人間として生まれ、人間として育てられ、人間として生きてゆくことが運命づけられました。
人は、自分が人であることを自覚することで、より人らしくなります。
人社会で揉まれることで人らしくなるのです。
そして、人らしく死んで行きます。
生きる意味は何でしょう?
もしかしたら、意味や目的なんて、はじめから無いのかもしれません。
ただ、それを一生かけて探す過程は、万人に共通しているように思えます。
「生きる意味を問う」という、人間ならではの能力。
泣いても悲しんでも人間として生きることが定められている命でしたら、大切に愛してほしいと私は思います。
脳は年齢を重ねるとともに「より幸せを感じる」という傾向があるのだそうです。
周囲になんと言われようとも、本人が幸せを感じているのであれば、なによりそれが一番ではないでしょうか。
「人の老うるを恐れず、ただ心の老うるを恐れる。」とは、中国のことわざです。
せっかくなら健やかで前向きで上機嫌な老後を迎えたいと、私は願っています。