心理カウンセラーの風湖です。




 『夢でもし逢えたら 素敵なことね
 あなたに逢えるまで 眠り続けたい

 あなたは わたしから遠く離れているけど
 逢いたくなったら まぶたをとじるの』




 「夢で逢えたら」は、大瀧詠一さんが作詞作曲した曲です。
 吉田美奈子さんや、ラッツ&スターなど、多くの歌手が歌っている、名曲です。



 私達は、寝ている間に夢を見ます。
 夢は、私達をウキウキと良い気分にさせたり、逆にモヤモヤして嫌な気分にさせたりする時もありますよね。
 



 では、夢がもたらす心理的な効果とは、一体どんなものがあるのでしょうか。



 私達人間の脳は、当たり前ですが眠っているあいだにも働いています。
 そして、最近の脳研究によると、寝ている時には脳内で、身の回りに生じた出来事が、夢として再現されているのだそうです。



 夢については、もっと面白い話があります。
 夢に現れる情報は、睡眠の直前のものが多いというのです。



 つまり、就寝の瞬間から、時間を前に遡るほど睡眠の中では再生されにくいというわけです。



 ですから、夢の中に大好きなあの人が現れるかどうかは、寝る直前に思い出しながら良い気分で眠れるかどうかによると言えそうですね。




 人間の記憶力の上達のためには、最低6時間の睡眠時間が必要である事が分かっていますが、目を閉じてリラックスしているだけでも、睡眠と同じ効果があるのだそうです。



 という事は、イライラしたり、ストレスを感じたりする毎日でも、お昼休みとか少しの休暇時間に、空想にふけりながら目を閉じてみるだけで、頭はリフレッシュ出来るのかもしれません。



 私の心理学講座の生徒さん達は、
 「先生の授業を受けた日は、グッスリと眠れます。そして次の日には、スッキリと起きられます。」
 と、言ってくださいます。



 睡眠は、記憶のためにあるのだという研究者もいるのだそうです。
 この説には、一部には反論もあるのだそうですが、しかし私は、少しでも可能性があるのならばと、寝る前に必ず、本を読むようにしています。



 もし寝ている間に脳が情報をオートマティックに強化してくれるのならば、これを利用しない手はありません。



 確かに、アイディアに詰まった時、一晩置くと次の日にふっと閃く時があります。



 こうした睡眠の効果は、「レミニセンス効果」と呼ばれているのだそうで、キチンと寝た人だけが、他の人達よりも3倍近い閃きやインスピレーションをもたらすのではないかと言われているのです。



 アルフレッド・アドラーは、あるエピソードで1人の女性とのやりとりを語っています。



 その女性は、どうやら彼氏と関係のことでとても悩んでいたらしく、眠る事が出来なかったそうです。



 アドラーは彼女に言いました。
 「今夜また眠れなかったら、その彼氏にしてあげられるとっても素敵な事をいくつか考えてもらえますか?
 そして朝になったら、私に電話して教えてくださいませんか。」



 翌朝、女性は電話をして来てこう言ったそうです。



 「なんてことでしょう、先生。
 ごめんなさい、報告する事が何もありません。
 昨夜はとてもグッスリ眠れたものですから。」



 それでは私も、素敵な皆さんのために何が出来るのかを考えながら、今夜もベッドに入ろうと思います。