心理カウンセラーの風湖です。



 「半年前に15年飼っていた愛犬が亡くなったのです。それから凄く寂しくて、ペットロスが続いていて、悲しいです。」



 私がいつも通っている美容院で、担当の美容師の男性は、そう話してくれました。


 
 最近は、新型コロナウィルスの感染拡大の影響で、家にいる時間が増えたために、癒しや愛情を求めて、家に新しくペットを迎え入れた方もいらっしゃるのではないでしょうか。



 そして、何年かすると私達に必ず訪れるのは、この「ペットの死」という現実なのです。
 いつかはお別れが来ると分かっているのに、やはりその時が来ると、とても辛いですよね。



 私達の愛を注ぐ相手は、人間でも動物でも関係はありません。
 ペットロスで悩む人は、その相手が亡くなったあとも、愛を注ぎ続けることをしているということになるのです。



 それでは、私達人間が何かを愛するという感情は、どこまで持ち続けることが出来るのでしょうか。



 私達人間も、ペットと同じ動物ですから、いつかは死にます。
 ですから、私達の肉体や魂は、死ぬ時に無くなるわけです。



 しかし、心や感情は無くならないのです。
 何故なら、心は人の目に見えるものではありませんから、初めから無いので、無くなりようがないからです。



 ですから、「心理学」を学ぶということは、「心」という、はなから形の無いものの理由を探すという学びです。
 その心や感情の「こうだ。」と言える形が無いということは、「あの人の気持ちがわからない。」というのは、ある意味では当たり前の事なのです。



 それは、愛という感情も同じことなのです。
 そしてもしも、あなたが愛を制限している相手とお付き合いをした場合、相手もあなたに対して愛を制限しているであろうと思ってしまいます。
 自分の心を相手に投影しているからです。




 そして逆に、あなたが全面的に愛を与えたいと思っている相手とお付き合いすると、相手もあなたに愛を全面的に与えてくれると思いますから、それはそれはとても素敵な関係になるのです。



 あなたがとても大切に愛を注いでいたペットに対しては、あなたがとても大事にしていたので、そのペットも、あなたを大事に思っていたであろうと考えますから、自分の分身を亡くしたようで、とても悲しいのですね。



 人は、何かを愛したい動物です。
 そして、その愛するという行動をすると、とても幸せだと感じます。
 しかし、愛することが出来る相手が居なくなってしまうと、とても傷ついてしまうのです。



 人が失恋をすると、とても悲しいのは、そのせいです。
 相手をとても愛したいのに、「もう愛さなくてもいいです。」と拒絶されるから、辛いのです。



 人は、誰かを愛すれば愛するほど幸福感を得られます。
 しかし、自分が愛していない相手に愛されても愛されてもあまり幸せは感じることが出来ないのが人間の複雑なところなのですね。



 ですから若い女性の皆さんが「恋愛は、愛するよりも、愛される方が女の子は幸せになれる」と言いますが、それは誤解なのです。



 あなたが人間である限り、相手を疑う事なく愛することが出来ることの方が幸せなのです。
 そして、あなたが愛すれば、必ず相手はあなたを愛してもらえるのです。



 「そんな事はありません。私は彼に傷つけられました。私をこんなに苦しめたのは、間違いなく彼の浮気心なのです。」



 そう言われる人もいるでしょう。
 しかし、それはあなたが彼に対して愛する事を止めたくなったので、あなたが彼を全面的に否定した結果、彼を悪者に仕立て上げた(?)のだとも言えるのですね。



 何故なら、たとえ彼が浮気をしたとしても、あなたがその彼を愛しているのであれば、愛を止めたく無いと思うはずですから、彼を許すという選択も出来たはずなのですもんね。



 肉体には、必ず終わりがありますが、心は、そもそも形がありませんから終わりは無いのです。
 そして、愛すれば愛するほど、幸せはむしろ増えていくのだと考えれば、どんどん愛を与えて行くことをお勧めします。



 あなたのペットも、亡くなる直前まであなたに対する愛は与え続けてくれていたはずです。
 ですから、あなたもそのペットが亡くなったあとでも、まだ愛しているのですよね。



 相手があなたに何をしてくれて、何を与えてくれるのかを冷静に待っているよりも、まず、あなたが相手にどれだけの愛を与えられるのかを考えた方が幸せになれます。



 愛されたいのならば、まずはあなたから愛しましょう。
 自分がどう感じるのかではなく、相手に何をしてあげようかと考えることの方が、心から安心出来る2人の関係が作れるのです。