心理カウンセラーの風湖です。
私は、メンタルクリニックで心理士として心理カウンセリングを何年か担当していた経験があります。
その時に、たくさんのうつ病や精神疾患の方とお話をさせていただきました。
うつ病患者は、日本の人口の3%を占めると言われています。
いえ、私はもっと多いと思います。
うつ病は、誰でも一生に一度はかかる病気であって、いわば「心の風邪」であるという言い方もします。
とにかく、それほどうつ病は身近な病気の一つであることは間違いありません。
ですから、うつ病にかかること自体は、とりたて異常なことではないのですね。
にもかかわらず、うつ病に対する世間の誤解はいまだに根強いものがあります。
とりわけ日本においては、うつ病のみならず、精神疾患全般に対して、極端な偏見があるように思われます。
そもそも「うつ病」という言葉も良くないように思います。
「病」と付けてしまったら、それこそ病気とみなしているわけですから。
うつ病になった人に対して、「あいつは精神的に弱い。根性が足りない。」と判断してしまうのは、例えば、よその子はサッカーの試合でレギュラーなのに、自分の子供がベンチの時、親が「努力不足だ。」と叱ってしまうことに似ている気がします。
人と違うことを欠陥とみなしてしまう、悪い習慣が日本にはあるように思います。
うつ病の渦中にある人は、例えるならば出口のないトンネルとか、土の中にいるような感覚を持っているようです。
真っ暗で、そして闇に圧迫されている感覚です。
そこから抜け出すには、土を掘り、トンネルを歩き続けて出口を目指すしかありません。
誰かにトンネルを掘ってもらい、引っ張り上げてもらうという方法もありますが、それでは「掘り方を学べない」のですね。
掘り方を学べないと、「どうやって抜け出すのか?」はわからないままです。
そうなると、もう一度土の中に埋まってしまった時に、また誰かの助けを待たなければなりません。
私の担当する心理学講座や、カウンセリングでも、中には、「今現在苦しんでいるのです。」とおっしゃる方もいます。
しかし、楽しんで通っていただいているうちに、「改善しました。」とか、「気持ちが変わりました。」とか言ってくださる方もたくさんいらっしゃいます。
私自身も、そのようにうつ病や精神疾患で人生が辛いとおっしゃる方との出会いを大切にしたいと思っていますし、いろいろな気づきをいただいています。
大切な出会いに感謝しています。
「必ず出口はある。」と、信じて下さい。
だから、諦めないでください。
必ず出口はあるのです。
そして、その出口を見つけた後に見せてくださる方の笑顔は、とても美しい顔をしています。
ある意味、うつ病を経験して、生まれ変わった経験というのは、神様からの大切な贈り物なのではないかと思うのです。