心理カウンセラーの風湖です。



 最近の話題は、本当にネガティブな情報ばかりで、その日のニュースを伝える情報TV番組などを見ていても、出演者のみなさんの怒っていたり困っていたりする表情を見るだけで、なんとなく気分が落ち込んで来ますよね。



 あなたのパートナーや、家族、友人などが何かに悩んでいたりすると、自然に表情が固く、暗くなっていますから、それを見ている自分まで、気にしたり悩んでしまったりします。



 南カルフォルニア大学のニール博士は、「人は無意識のうちに相手の表情を見ながら、相手の感情を解釈している。」と、説明しています。



 赤ちゃんに微笑みかけると、笑顔で返して来ますよね。
 そもそも私達人間は、相手の仕草を真似する癖があります。
 特に共感している相手には、無意識に似た動作をするようです。



 
 “We shall never know all the good that a simple smile can do.” (笑顔には想像もできないほどの可能性がある)



 これは、マザー・テレサの言葉です。
 そして、笑顔の効果は古くから心理学的にも調べられているのです。



 アメリカ・カリフォルニア大学バークレー校の心理学研究チームが約30年かけて卒業生141名(女性)のその後の人生を追跡したところ、卒業アルバムに「笑顔」で写っていた人たちは、そうでなかった人たちに比べて、結婚率が高く、人間関係や健康面などでも満足度が高い人生を送っていることが判明したそうです。



 また、アメリカ・ウェイン州立大学が2010年に行った研究では、野球カードに写真があるメジャーリーガーたちの寿命を調べた結果、「笑顔」で写っている選手たちの寿命は、笑顔でない選手たちのそれより約7歳も長かったそうです



 どちらの例も “笑顔の効能” の賜物で、笑顔でいることがいかに大切かを実証していると言ってもいいでしょう。



 そうは言っても、「愛想笑いは嫌い」「笑うのは苦手」という人もいますよね。

 しかし、作り笑いであっても効果があることは研究で実証されています。



 笑顔の効果としては、まず社会的影響が強いことが挙げられます。

 「笑顔を見るのは心地良い」のは、共通した心理でしょう。

 楽しそうに笑っている人を見るのは、よほど偏屈な気分でない限り、嫌な気にはならないものです。



 そしてもう一つ。笑顔は感染します。

 例えば、普段からあまり笑わない、どちらかといえば仏頂面で近寄りがたいタイプの人を笑わせるには、どうしたら良いのかと悩む時もありますよね。


 こんな時には、隣に座って、ただ根拠もなくケラケラと笑い続けるというのが最も確実な方法なのだそうです。



 さらに楽しい表情には、問題解決を容易にしたり、記憶力を高めたり、集中力を高めたりする効果がある事が報告されています。



 「楽しいから笑うのではない、笑うから楽しいのだ」(米心理学者/ウィリアム・ジェームズ)という言葉もあります。



 「笑う門には福来る」

 笑顔を積極的に利用することは、より良い生き方に繋がりそうですよね。


 

 「怒れる拳、笑顔に当たらず。」

 という諺があります。

 怒って拳を振り上げても、相手が笑っていると殴れない、という意味です。



 これこそが笑顔の力なのです。

 笑顔は、コミュニケーションにおける、最強の武器なのですから、あなたのそばにいる誰かが、「元気が無いな」と思ったら、ぜひ笑顔を相手に見せてあげてくださいね。