心理カウンセラーの風湖です。
「既婚者と不倫をする人は、結婚を恐れているのだ。既婚者との恋愛なら、結婚せずにすむのだから。」
「相手が既婚者だから、結婚出来ないのではありません。結婚したくないから、既婚者を相手に選ぶのです。」
これは、アドラー心理学の考える、「目的論」です。
「目的論」とは、その人の行動の目的について考える事です。
「◯◯の行動を取っているのはどうも☓☓の目的があるようだ。その目的を満たすには他にどんなやり方があるのだろう?」
「もっと大切なことはなんだろう? 本当に望んでいる未来はなんだろう? どうしたらそれを叶えられるのだろう?」
「この目的は過去にできたもので、冷静に考えてみると今は不要ということはないだろうか?」
などを考えてみるわけです。
多くの場合、結婚したくない理由は、
「結婚で失敗したくない。」
「不孝な結婚生活を送りたくない。」
「自由な生活、気楽な生活、家族に甘やかされている生活を放棄したくない。」
などです。
結婚を避ける一番確実な方法はなんでしょうか?
やはり、既婚者を相手に選べば良いのです。
そして同じ様に、周囲から反対されるであろう、結婚が困難である相手を選ぶ場合もあるでしょう。
例えば、はるかに年上の人、社会不適合者である、犯罪者などです。
結婚したくないから、結婚で失敗したくないから、わざとそのような人を相手に選ぶ。
アドラー心理学ではそう考えるのです。
しかし、本人は自分でもそれに気づかないのです。
この例でいうと、「他者と真剣に関わることで、自分が傷つきたくない。」という「目的」があって、それを達成するための行動をしている、ということになりますね。
例えば、恋愛が上手くいかないと言われる人も、同じような行動を選ぶ人もいます。
ある、男性のクライアントさんが、
「僕は彼女が出来ないのです。デートに誘っても全て断られてしまいます。」
と、相談に来ました。
私が、「あなたは何故彼女がいらないのですか?」と、聞くと、彼は驚いた顔をして私を見て、「確かにそうかもしれません。」と、彼は呟きました。
自分に自信がないから、まだ自由でいたいから、女性と話をするとき緊張してしまうから。など、「目的論」は、実に分かりやすい心理学だと思います。
「就職が決まらない」と言われる方は、もしかしたら「就職をしたくないと思っている」のかもしれません。
「会社を辞めたい。」と言われる方は、辞めたいのは会社ではなく、「仕事は辞めたくない、その会社にいる時の自分の感情がネガティブだから、その気持ちになりたくない。」
と、考えているのかもしれませんね。
しかし、なぜか上手く行く人は、シンプルに考えます。
著述家の、小林正観さんは、
「人に迷惑をかけたくない。」
と、意気込むより、
「迷惑をかけながらでしか生きられない。」
と思い、まわりのすべてに感謝せよ。
という言葉を残しています。
コンプレックスが強く自信の無い人は、本当の自分が好きになれずに心が満たされていないのかもしれません。
自分で自分の事が好きではないのに、誰かがそんな自分を受け入れてくれる訳がないと思っているのかもしれません。
自分の事ばかり考え、相手の気持ちを考えているようで、本当は考えられない、余裕がなくなっている状態。
もしも本当に結婚したいのなら、結婚出来る相手とお付き合いしましょう。
自分を欺かず、素直に相手を愛する事が出来る自分を目指しましょうね。