心理カウンセラーの風湖です。
黒人男性のジョージ・フロイドさんが警察官に首を押さえつけられて亡くなった事件を発端に、アメリカでは各地で抗議デモが起き、最近では、芸能人やスポーツ選手などの抗議も話題になっていますね。
人種差別撤廃を目指した、アフリカ系アメリカ人の公民権運動の指導者として知られる、キング牧師は、
「正しいことをするのに、時を選ぶ必要なんて無い(正しいことをするのに、早すぎる、遅すぎるなんてことはない)」
でも周りを見渡すと、同類の人たちがどんな目に遭っているかが分かる。
毎日、僕は獲物のように追われている。僕らはトラブルなんて望んでいないのに。
こんな苦しみはもううんざりだ。
僕はただ生きたいだけ。神様が僕を守ってくれる。
僕はただ生きたいだけ。
僕はただ生きたいだけなんだ。」
このような差別意識は、一体いつまで続くのでしょう。
日本人である私達にとっても、それは決して関係の無い問題だとは言えないのではないでしょうか。
以前、カウンセリングに来てくださった若い男性からこのように言われた事があります。
「カウンセラーは、他人の心が本当に分かるのですか?」
彼は、アジアからの留学生でした。とてもおとなしく、礼儀正しい学生さんでした。
「心まではよく分からないけれど、でも、気持ちは分かるようにしています。」
と、私が答えると、
「アジアの貧しい国から苦労してやって来た者に、日本人は親切にしますが、心では見下しているのです。あなたの心にもそれは全く無いと言えますか?」
と、目を伏せました。
彼に一体何があったのかはわかりませんが、彼には、
「あなたの心はわからないけれど、気持ちを分かるように努力します。そういう気持ちがお互いの関係を支えるのかもしれませんね。」
と、伝えました。
差別は、歴史だけではなく、心の問題も含みます。ですから、私達カウンセラーにとっても考えなくてはならない重要な問題なのではないかと思います。
最近はアジアから日本へ、日本から欧米への留学も多いですから、それぞれに異文化の体験を重ねています。
今では国を超えての人の移動が当たり前になっていますが、そんな異文化の経験にもカウンセラーの必要性が増しているのではないかと思います。