心理カウンセラーの風湖です。



 「私の職場には、人の噂話や悪口ばかり言う人がいて、聞いている方も凄く嫌な気持ちになります。」
 「私は、嫌味や悪口を言われています。毎日とても辛いのです。」



 人間関係を上手く構築しようと頑張っていても、何故か上手くいかない。
 しかも、毎日悪口や噂話に悩まされているという方は、多いのではないでしょうか。



 
 人は、本当に他人の噂話が好きなのですよね。

 それは、誰かを中傷することで、自分の劣等感を隠そうとしたり、誰かを自分より下に見ることで、一時的に優越感を感じて幸せだと思うことが出来るからなのです。




 逆に、そんな他人からの言葉の攻撃に悩まされる人が多いのは、日本人特有の遠慮や、そのおくゆかしさにあるのではないかと思います。



 
 日本人は世界各国の人と比べて、とても「交渉下手」と言われています。
 その理由は、日本人は相手の出方を見てから、自分がどのように動くかを決めようとする傾向にあるからです。




 皆さんも、自分の思ったことを言えずに対応が常に後手に回ってしまう、そんな経験をしたことがあるのではないでしょうか。




 日本の国技である相撲に置き換えると、自分から攻めずに相手の攻撃を受け止め、そこからゆっくりと土俵際に追い込んでいく。この「横綱相撲」が日本人は大好きなのです。



 
 私が小さい頃から祖父は、いつも私にこう言ってくれていました。




 「言われなき事、非難、中傷に目くじらを立てて相手に言い返すのは、相手と同じ土俵に自分が乗っかったという事。だから、こっちの負け。」




 ですから、相手があなたに悪い事を言っても、あなたがスルーしてしまえば良いのです。




 そうすれば、「ふく風荒くとも、心の中に波たたず。」これは、お釈迦様の境地です。



 つまり、相手がいくら言っても、自分が言い返したり、腹を立てたりしなければ勝ち。と、決まっているのですね。
 世の中はそういうルールなのです。



 ですから、誰かに悪口を言われた時、相手が私の悪口を言っていること自体が、「私の勝ちだ」って私は思っているのです。
 私は、相手の悪口を一回も言わないから、「私の勝ちだ」って。



 最初のうちは、その相手の言っていることを信じる人がいるかもしれません。
 でも、そうだったとしても、長く言っているうちに、他人の悪口を言っている人は、だんだん周囲からの信用が無くなって来ます。



 だから、相手が悪口を言い出したら、私の勝ちなのです。
 悪口は、言った方が負け。
 長く言い続けるならば、大負けなのです。



 ですから、「あの人があなたの悪口を言っているよ。」と言われた時は、私はこう思います。
 「他人が何を言うかは、どうしようもないんです。私が出来る事は、自分が言わないことだけなのです。」と。



 噂話もそうです。
 自分にとって都合の悪い噂話をさせないことは、自分には出来ないのです。



 人は完璧ではありませんから、誰かを気に入らない事もありますよね、きっと。
 でも、私は他人の悪い噂話は嫌いですから言わないですが、自分の噂話を他人に言わせないことは出来ないのです。



 そのうちに本当の事がわかってもらえます。
 そして、周りの人達も、「あの人、言い過ぎだよね。」って、味方をしてくれるようになるのです。



 他人の悪口を言うと、悪口を言っている顔を誰かに見せているのです。
 その顔はきっと笑顔ではない、眉間にシワが寄っていて、恥ずかしい顔なのです。



 誰かの噂話をする人のそばにいる人達も、自分の運気が下がる前に、自分の幸せを大切にして欲しいと思います。