心理カウンセラーの風湖です。



 「私は、なぜか誰かと深く付き合う事が出来ません。自然に距離を置いてしまいます。」



 恋愛関係だけではなく、そもそも他人とのコミュニケーションが苦手なために、誰かと親密な交友関係が構築出来ないと言われる方も多いですね。



 しかし、本当はもっと愛して欲しい、自分の事を好きになって欲しいと願っているのに、自分が素直になれないために、無意識に拒否してしまう。



 「あなたを愛しています。」
 と、誰かに言われても、それはとても嬉しい反面、なんとなく嫌な気持ちになる人は、心の中でこう思っていませんか?



 「私が自分の事を嫌いなのに、あなたが私の事を好きになるのはおかしい。きっと、すぐに心変わりして、私から去っていくに違いない。」



 そして、そんな風に相手の気持ちを疑う自分に失望し、どんどん自己嫌悪に陥り、そしてますます自分の事を嫌いになりますから、相手の愛を純粋に信じる事なんて出来ませんよね。



 そのような悩みを抱えていらっしゃる方は、もしかしたら脳内の「オキシトシン」の分泌量が少なくなっているのかもしれません。



 「オキシトシン」とは、脳内の神経伝達物質のひとつで、他者との信頼関係の維持や、ストレスをやわらげる役割を担います。「絆ホルモン」とも呼ばれます。



 もしかしたら、あなたは誰かとスキンシップをとる事が苦手だと感じていませんか?



 人は、誰かに触れられる事で、相手を身近に感じたり、心が落ち着いて励まされたりします。
 これは、未熟な状態で生まれて来るヒトに現れる、愛情を高める仕組みと考えられています。



 そして、誰かに触れられるスキンシップは、触れる方と触れられる方の両方にオキシトシン分泌の効果が現れます。



 そのため、身近な人との関係を深めたり、パートナーの浮気を予防したりする効果があるとも言われているのです。



 また、オキシトシンは、心を安定させて、ストレスをやわらげ、十分な癒しが期待出来るという働きもあるのです。






 
 アメリカのウィスコンシン大学マディソン校の、レズリー・セルツァー博士が行った実験で、人が脳の中のオキシトシンの分泌を調べた結果があります。



 7歳から12歳の少女61人に対し、お母さんがもたらす癒しの効果についての研究結果です。



 少女達にまずストレスを与え、その後に3つのグループに分けてそれぞれ違う行動をしてもらうのです。



 ひとつめのグループは、お母さんに抱きしめてもらいます。
 
 ふたつめのグループは、お母さんとは会わずに電話で話してもらいます。

 みっつめのグループは、お母さんとは会わずに関係のない映画を見てもらいます。



 ひとつめとふたつめのグループは、ストレスホルモンであるコルチゾールの値が正常に戻り、オキシトシンも増えました。



 しかし、みっつめのグループは、1時間後でさえ、コルチゾールの値が正常よりも3割以上も高かったそうです。



 お母さんと会わなくても、声が聞こえるだけでもオキシトシンが増えてストレスが減って行くのですね。



 人間関係が構築出来ないとか、人生が上手くいっていない気がする人は、もしかしたら両親や家族どの関係があまり良好ではないのかもしれませんね。



 それでも、お母さんがいらっしゃらない、もしくは嫌いと言われる方は、私がいつでもお話を伺いますよ。
 きっと良い関係が構築出来るアドバイスが出来ると思います。