心理カウンセラーの風湖です。



 「あの人はいい人ね。」



 私達は、そういう風に言われる人になりたいと思って生きています。



 少なくとも、「嫌な人」とは言われたくないと気を配りますよね。



 
 例えば、いつもニコニコ笑顔で、お願いすれば快く引き受けてくれる人って、いい人ですよね。



 しかし、過度にいい人になってしまい、頼まれごとは断れないとか、理不尽な扱いを受けても怒れないとか、良い人でい続けなくてはいけなくなってしまっていることも、多いのかもしれません。



 やっていることは良いことなのですが、それを過度にやり過ぎてしまっているのならば、やってもやっても本人が報われることはありませんよね。



 しかし、その行為をやめてしまうと、「悪い私」「役立たずの私」「ダメな私」と、相手に思われてしまうのではないかと感じるので、やり続けるしか選択肢がなくなってしまいますから、やはりいい人をやめることができないのです。




 つまり、あなたの自信の無さを誤魔化すためにあなたは誰かにとっての「いい人」をやってしまい、その結果、「いい人」と言われる事がとても幸せだと思い込み、「いい人」こそ、自分の価値だと思ってしまうのです。



 
 もしもあなたがそうなら、すぐにやめましょう。何故なら、1人になった時に、常に「私はこんなにしてあげているのに…。」という不満ばかりが残るようになってしまうからです。




 いい人をやめるというのも、変な言い方ですが、頼まれごとをされたときに、自分にも用事があって、それを引き受けるのが難しい場合であっても、自分の用事を犠牲にして引き受けてしまうのは、ストレスの元になりますよね。





 また、「いい人」をやっている人は、「いい人」をやっていない人の事を、「悪い人」だとつい批判するようにもなってしまいます。
 



 そして本人も、理不尽な扱いをうけて腹が立っていたとしても、怒る人は良い人ではないと感じるので、怒れないのです。



 その結果、いくら「〇〇さんは、良い人だ」と周りからほめられても、「○○さんは、やさしい」と言われても、ちっとも嬉しくないですし、心が満たされることがないのです。



 あなたが、あなた自身をもっと大切にして、自分自身の人生を生きてください。



 周りの目ばかり気にして、自分の気持ちをおろそかにしていては、不満ばかりが増えていき、とても幸せな人生とは言えないのではないでしょうか。



 もちろん、自分の事は抑えても他人に尽くす事が喜びであり、自分の満足になるのであれば、そうしていいのだと思います。



 結果的にそれが「いい人」と言われるのであれば、それは素晴らしいことです。



 しかし、周りの目を気にして「いい人」にならなければならないと思うのであれば、それはもうやめた方が良いですよね。




 あなたは、信じられないのかもしれませんが、そんなあなたを心から愛している人が、そばにいるのです。
 そしてあなたは、何かを隠さずにそのままでいても、愛されるに相応しく、誰かの愛になる事も出来るのです。



 ですから、もう「いい人」はやめて、自分の本音に忠実に行動してくださいね。
 


 自分の本心を満足させる事に手を抜かない人が、自分にとっての「いい人」なのだと思います。