心理カウンセラーの風湖です。



 心理学ではよく「人の思い煩う不安は、ほとんどの場合的中しない。」と解説します。
 しかし、中には「私の不安はいつも的中しますよ。」と、言う人がいます。



 例えば、「彼は最近、メールを返してくれる頻度が少なくなった。きっと私の事が嫌いなったに違いない。フラれてしまうかも知れない。」と、思うと、その通りになるのだとか。



 これはおそらく、日本人が得意な「相手の心を読みすぎて、ネガティブな未来を予測しすぎるという歪んだ考え方の癖」が、焦って自分で結果を決めてしまうため、無意識に相手を責めたり、怒りをぶつけてしまうから、喧嘩になって相手が離れて行ってしまうのではないかと思うのです。



 本人にとっては、自分が傷つきたくないと思う気持ちから、その心を守るために「相手を悪者に仕立ててしまう」正当防衛の行動なのかもしれませんが、冷静に考えれば、全て自分が決めた結果に過ぎません。



 人間は神様ではありませんから、何もかもがお見通しで、何もかもが思いのままで、悩みも無ければ不安も無いというわけにはいきません。



 悩みの無い人間はいません。
 常に人は、「分からない、分からない。」と考えています。
 「どうしよう。どうしても決心出来ない。」
 毎日、そんな事ばかりですよね。



 しかし、恋愛関係に関わらず、あらゆる人と人とのコミュニケーションにおいて、お互いに密接な繋がりを持つこの世の中で、「分からない。」と、思い悩んだままで生きていたら、とんでもない結果になって、相手にも迷惑をかけてしまいます。



 分からなければ、相手に聞いてみる事です。
 自分の殻に閉じこもらないで、素直に謙虚に、相手に教えてほしいと耳を傾けてみる事です。



 「最近、なにか怒ってる?もしかしたら私が何かしてしまったのかなあ。もしもそうだとしたらごめんね。いつも気がつかなくて。私に何か出来る事は無い?」という風に。






 「そんな事を聞くなんて出来ない。恥ずかしいし、なんだか私の方が相手に依存してるみたいでプライドが許さない。」
 と、思いますか?



 しかし、人間関係は意地の張り合いではありませんから、相手の態度が気になって、心がザワザワして、ズレを感じ上手くいっていないなと感じたら、あれこれと思い悩むよりも、聞いてみるのが一番の解決策なのです。



 身体の不調は病院の先生に教えてもらえば納得しますよね。頭が痛い時に、一人で思い悩んでも、なかなか治らないものです。ましてや、友達に相談したり、占いなどに頼っても、原因は教えてくれません。



 ですから、答えは実にシンプルです。
 理由を相手に聞いてみる。
 



 それは、子供同士の仲直りみたいでバカバカしいと思うかもしれませんが、人はそのバカバカしい事をしながら成長して行く生き物なのかもしれません。



 例えばそれが親子関係であっても男女関係であっても、感情が伝わるのならば相手の気持ちを聞いてみましょう。そして、素直に謙虚に気持ちを聞いてみましょう。




 そして返って来る言葉が、どんな意見であっても、求める心が切ならば、その答えの中から自然と得るものがあるはずなのです。




 お互いに思い悩み、迷いうろたえ、諦めて不安を急いで結果に変えてしまうよりも、自分の殻に閉じこもって、素直に相手に聞く事をしない事の方が人生にとって遠回りになってしまうのかもしれません。



 お互いに縁があって出会う事が出来たのですから、その繋がりをもう少し大事にしてくださいね。その繋がりには、人間のいわゆる個人的な気持ちや思い込みを超えた、ひとつの深い縁の力が働いているのですから。