心理カウンセラーの風湖です。
「私はこんなにも不幸でみじめなんです。」
「大失敗してしまった。もう死にたい。」
自分がいかに不幸であるか、不運であるかを周りの人達にアピールする人がいます。
「私には、不幸が次々と襲いかかって来る!」
「どうして、私だけがこんな目に遭うのかしら…。」
そう嘆きながら、落ち込んでネガティブな話題を延々と訴え、周りの人をとても心配させてしまうのです。
優しくて真面目なあなたは、とても大切な友人にこのような言葉を言われたらどうしますか?
慰めてあげたり、励ましてあげたり、時には一緒になって悲しみを共有してあげたりするのかも知れませんね。
もしかしたら、不運であること、不幸であることは、実は時に、その人も無意識のうちに自慢の種になってしまってはいないでしょうか。
それは、ある特定の人達にとって、本人にも気付いていないのかも知れませんが、自分を悲劇のヒーロー、ヒロインに仕立て上げる事が、優越感を感じている場合があるのですね。
「仕事が忙しくて休みが取れない。」
「家族の世話が大変。」
「わがままで、引きこもりの子供がいる。」
「主人が浮気をしている。」など。
これらも、実は不幸をアピールしている事になる場合もあるのです。
その心の奥底には、
「平凡な毎日を送っているあなた達とは、違うんですよ。」とか、
「あなたの人生よりも私の人生の方がドラマチックなのです。」とかの不幸自慢が潜んでいる場合もあるのです。
「死んでしまいたい。」と相手に言われると、本当に心が痛いし、どうやって慰めてあげたら良いのかわからなくなってしまいますよね。
もしかしたら、そのように相手に心配させてオロオロさせる事で、「友人よりも私の方が優れている」という気分を味わっているのかもしれません。
もちろん、本人はそのようには意識していない場合の方が多いとは思いますし、本当にあなたを信頼しているからこその言葉だとは思いますけれど。
しかし、そのような人は、本気で心配してあげたあなたに対しても、「なによ、どうせあなたは幸せだから関係ないと思っているのでしょう。」と、逆ギレされてしまったりすることもありますから、本当に困ってしまいます。
そして、「失敗ばかり」という言葉も、使い方によっては優越感が潜んでいる場合もあるのだと、アドラー心理学では言っています。
それは、「失敗」を「自慢」する人も、優越コンプレックスと言って、「私は正直者なのです。他の人が隠すような事もあなたに克服します。私は、清らかな気高い人間である。」と、思うのだと言うのです。
一見、マイナスに思える、不幸、不運、失敗。
「優越コンプレックス」
つまり、自分を悲劇の主人公に仕立て上げる事によって、それさえも優越感に転ずる事があるのですね。
あなたが何気なく言った言葉が、不幸自慢や失敗自慢になっていませんか?
マイナス思考はあなたの周りのとても大切で親切な人をも心配されてしまう事もあるので、なるべく多用しないようにセルフチェックしましょうね。
オンラインカウンセリングサイト「KOIFUNE」
カウンセラー風湖