心理カウンセラーの風湖です。


 「母との関係が苦しい」
 「母が自分にしてきたことを、自分もわが子にしてしまうのではないか?」


 母との関係で悩む方はとても多いですね。


 皆さんや、皆さんの周りにも、親子問題が進捗しない、あるいは変化がなく続く苦しみを抱えている人は多いのではないかと思います。


 最近では、親子関係が人間関係の土台になり、人生のあらゆるシーンに影響を及ぼすことは世間でも広く知られるようになりました。


 ある意識調査によると、親との関係性に悩んでいる人の過半数以上が、「親子間の確執は修復できない」と思っているそうです。


 そして驚いたことに、親との確執に悩む人の多くは、成人してからの恋愛関係や、社会生活でのコミュニケーション能力の低さに影響を及ぼしているようなのです。



 要は「親のせいで、誰とも仲良くなれないような価値観を持ってしまった」というところに辿り着くのです。



 しかし、こうしたメンタル問題の場合、その原因を対策するのは困難な場合も多いのが現状なのです。



 その為、その解決が難しいであろう原因に執着してしまうのですね。

 


 「私は悪くない。母が悪い。」

 


 すると、母とはこうあるべき。母はこうしなければならない。自分の母は、もっと完璧であって欲しかった。という理想論に嘆き苦しむのです。




  では、母に完璧を期待する価値観は、どのように生じたのでしょうか。






 これも心理学の中に答えがありました。



 心理学によれば、幼少時に親との関わりで問題が生じると「愛着障害」というハンディキャップを負うようです。




 それは、その人の価値観や思考癖から「回避性愛着障害」という症状です。




 「回避性愛着障害」とは、幼少時に親に否定されるなどにより、親と一緒にいることに生存的な恐怖を感じた場合に、母に愛情を求めることを止め、母を危険人物とし、接触を拒否するようになるのです。
 反抗期がもっと過激になった状態のようです。




 しかし母親は、本当は愛したい存在。

 でも、何らかの原因で愛せない。そうなると、愛せない自分を責める気持ちが生じるそうなのです。



 皆さんも経験したことがあるかも知れませんが、後悔とか自己嫌悪とか自分を責めるってすごく苦しいことです。心のエネルギーを著しく消耗します。




 意識的には気づきませんが、潜在的に母を攻撃した事に、自分を責める、自己嫌悪の気持ちをもっていたとするなら、それは、悲しみ、恐怖につながります。



 本質は母親は「愛したい」存在であることを知っていたのです。



 それでも、母への攻撃性や否定…認めること、許すことができず、精神的に冷静に、本質のまま「愛したい」と行動できないのは、できない自分を責める事で悲しむという悪循環によるもののようです。



 実は、親子関係の確執とは、とても根深く、人間の成長にはつきもので、様々な形がありますから、これという解決策は見つからないというのが現実です。



 ただ、親子関係で悩んでいるのは自分だけではないという事に気付いて欲しいと思います。



 肉体的にも、精神的にも、経済的にも親からの自立を目指すためには、もう親子関係はこうあるべきという価値観から気持ちを切り離して、あなたの背負っている荷物を降ろして、後ろを振り返らずに人生を楽しむ事も必要ですよね。



 あなたは、あなたのままで素晴らしいのです。



 あなたに生命を与えてくれた、その奇跡だけに感謝して、未来のあなたを大切にしてくださいね。