心理カウンセラーの風湖です。


 「私は、つい感情的になって相手に怒ったり責めたりしてしまいます。どうすればこの感情を抑える事が出来るのでしょうか。」

 「子供が全く言う事を聞きません。気が付けば一日中怒鳴りっぱなしです。どうすれば優しいお母さんになれますか?」



 恋愛関係に限らず、親子関係や、職場での人間関係などでは、相手に「自分の気持ちを分かって欲しい」と思うが故に、つい感情をあらわにしてしまい、後で後悔をするという方も多いですね。


 「怒り」は、「人と人とを引き離す感情」だと言われます。
 何故なら、怒りの最もポピュラーなその目的は「支配」だからです。


 人は、怒りを使って大きな声を出し、感情をむき出しにする事で相手を思い通りにコントロールしようとします。


 そして、それによって相手がひれ伏して自分に従うと、その人は優越感を感じます。


 その優越感を感じる事が出来ると、人はその感覚に味をしめ、繰り返し何度も怒りを使うようになります。


 こうして、「怒りっぽい人」が出来上がるのですね。






 元メジャーリーガーのイチローさんは、あるインタビューの中でこう言っていました。


 「感情を出したら、絶対に負けます。何故なら、冷静な人には敵わないからです。」


 
 野球というスポーツは、やはりヒットが打てたらとても嬉しいですよね。でも、その「嬉しい」という感情が相手に見えると、なんだかつまらない選手に見えるのだと言うのです。



 つまり、冷静な人が相手の感情を観察していると、「あの人はこういう事で怒るんだ。」とか、「こんな事で喜ぶんだ。」と伝わってしまい、その人の底が知れる感じがするのですね。


 しかし、何事にも動じる事なく、感情にも出さない人は、「この人は、こんな状況でも怒らないのか。」「この人は、こんな事があっても冷静に対処出来る人なんだ。」という人間に思われますから、逆にとても尊敬されるのだといいます。


 それならば、自分の感情をあまり出さない事を意識して、たとえ腹が立つ事があっても、それをグッと抑える訓練をした方が、お互いにとって、なによりの成長になるのではないでしょうか。


 
 つまり、何があってもただいつも通りに表情を変えずに冷静にしていたら、「この人には敵わない」って相手に思わせる事が出来るのですね。



 目の前に起きた事にすぐに腹を立てて、感情を出すのではなく、冷静に対処出来たら、お互いにのためにどういう結果が訪れるのか、その先の事を考えて行動するようにしましょう。


 「この人は、どんな時にでも感情を出さずに相手を許す事が出来る人なのだ」と相手に印象を与える事が出来たのならば、同時に「この人には敵わない」と思わせる事も出来ますよね。



 感情的になったら負けだと考えれば、何かに腹を立てても、先ずは感情的に怒る事をしなくなるように訓練をした方が自分のためでもあります。



 そうすれば、あなたの恋愛関係や人間関係の悩みは、どんどん良好になるのではないかと私は思うのです。