心理カウンセラーの風湖です。


 「私は、人とのコミュニケーションが苦手です。最初は良い人ね、と言われて仲良くなるのに、その人との付き合いがある程度長くなると、なんとなく会話もギクシャクして来て、連絡を取るのも面倒くさくなってしまいます。」


 最近では、SNSなどを通じて出会ったり、最初からLINEなどでコミュニケーションを取る事が当たり前になって来ましたよね。


 ですから、直接誰かと会ってその会話から相手の気持ちを察するとか、雰囲気で優しさを表現するとかが難しいと感じる人も多いのではないでしょうか。


 しかし、人は社会性を構築しながら生きていく動物ですから、やはりある程度のコミュニケーション能力は必要なのではないかと私は考えます。

 

 人間関係において、自然な形で「自立する人」と、「依存する人」に分かれます。


 わかりやすく言えば、面倒をみてあげる側と、面倒を見てもらう側です。


 例えば赤ちゃんは、自分では何も出来ないですから、親に面倒を見てもらいますよね?


 その関係性が、大人になってからでも居心地が良いと感じると、職場でも恋愛でも自然な形で惹き合い、寄り添って行くのだそうです。


 しかし、見た目には依存していそうな人でも、恋愛相手に対しては自立型だったり、その反対に社会的には自立していると感じる人でも、その中身は誰かに依存したいと願っている人もいるのです。


 そこはやはり個性なのですが、依存している人の心理は、「私は何も出来ないのだから、誰か私を助けて欲しい。」と、相手を頼りますから、はじめのうちは誰かの面倒を見たいと思う自立の人は、「かわいいなあ」と、思うのです。


 しかし、そのうちに依存の人は、だんだん自立側の相手を攻撃したりします。


 「どうしてもっと私に優しくしてくれないの?いつも一緒にいて欲しい。もっと愛して欲しい。」


 その攻撃があまりにも酷くなって来ると、自立側の人は次第に居心地が悪くなり、気持ちが離れてしまうのですが、そうなると依存の人は考えます。


 「ほら、やっぱり私なんて誰からも愛されない。だって私なんか魅力は無いし、みんな私を嫌いなんだ。あの人を好きになって損した。」


 そして、その感情は悲しみに変わり、そのうちに人間関係が煩わしいと感じ、ネガティブな悩みに変わってしまうのですね。


 依存型の人が相手に頼るその要因のひとつは、「劣等感」「無価値感」にあるのです。


 「自分はこんなに価値がない。だから、誰からも愛されない。」
 「私は、いつか罰を与えられるに違いない。だから、あの人も離れて行ったのだ。」


 誰かに愛されたいと願うのなら、まずはあなたが誰かをわかりやすく愛してあげる事から始めてみましょう。


 誰かに依存してしまう人は、相手を警戒しますから、自分からの愛もなんとなくケチってしまいがちなのです。


 それでは、やはり相手もあなたを愛しにくいと感じてしまいますよね。


 だからと言って、無理を重ねる必要はありませんが、心理学では「返報性の法則」という言葉があります。


 それは、人間の「与えてもらった分の何倍も返したい」という心理の事なのです。


 何かを与えると、相手も嬉しいし、自分も幸せな気分になれます。


 そしてそれは、他人だけではなく、あなたの家族や、ペット、あなたを取り巻く環境や自然でさえも全身で愛する事ができたなら、それはとても素晴らしいことですね。