心理カウンセラーの風湖です。


 新型コロナウイルスの緊張も少しずつ緩和されて来て、街には多くの人々の姿が戻って来たようで、何となくホッとしますね。


 しかし、街を歩いていると、若い人達でも暗い顔をして歩いている人がとても多い事に驚かされます。


 かといって、1人で歩いている時に笑顔でいる必要はありませんが、多くの人が「不機嫌」「疲れた」「憂鬱」をそのまま表情にしたような顔をしているように見えるのです。


 今、私達が抱える悩みの多くが、周囲の人達との人間関係によって生じています。


 人は、集団を作って行かなければ種として生存する事は出来ませんが、その集団がより大きく、複雑になった事で、悩みはますます増え、一つ一つの悩みが深刻になってしまっています。


 しかし最近は、社会的な影響で、その集団を作るのを禁止され、人との距離をとり、人が近寄ったりすることが出来なくなりましたから、会社などの人間関係に悩んでいる人達にとっては、つい最近まではその悩みから解放され、なんとなくホッと胸を撫で下ろしていた、と言われる方もいらっしゃいますね。


 これからは、オンラインや、リモート会議などを推奨して行く企業なども増えて行くでしょうから、そんな今だからこそ、人からの評価や承認を気にする事を少しだけ休憩してみましょう。そして、少しだけ時間が空いたら、自分という個性や価値に向き合ってみて欲しいなと思うのです。




 突然ですが、猫の足に指が何本あるか知っていますか?


 基本的には前足に5本と、後足に4本です。


 しかし、1匹1匹猫を捕まえてチェックしていくと、指が4本でも5本でもない子に当たり前のように出会うそうです。


 6本、時には7本の子も珍しくないのだそう。


 それでも、猫においては普通の事なのだそうです。


 個体ごとの差が激しいのが猫の特徴なのだそうで、我が家の猫も、よく見て、よく知ってあげる事が必要なのですね。


 (しかし、我が家の猫は、気が強くてプライドが高いので、触らせてもくれませんが。)


 私達人間も、様々な違いがあるにもかかわらず、コミュニケーションの本を読んで、そこに書いてある質問などを他人にしてみても、その本とは違う反応が返ってくると、動揺したり反省したりしますよね。


 子育てもそうです。


 どんな本を読んで、専門家に聞いても、自分の子供には全く当てはまらない、なんて事も珍しくないですよね。


 そんな時には、相手の反応を見て、臨機応変に反応するしか無いのです。


 人間は、基本的に誰かを愛したいと願う心理があります。


 それは、親子であっても、夫婦であっても、他人に向けても感情は同じなのです。


 「愛されたい」よりも先に、「愛したい」のです。ですから、愛されていないと嘆くその根源には、愛する事を恐れている、あなたに原因があるのではないかと思うのです。


 お金は、使えば使うほど減っていきますが、愛は、使えば使うほど増えていく事に気付いて欲しいのです。


 何故なら、愛は、無条件に与えれば、その何倍にも増えて戻って来るからです。


 自分を理解されないと悩む前に、周りの人を理解する事からはじめてみましょう。


 そして、それぞれの違い…。

 愛とは、個性や魅力を認める事でもあるのですね。


 そして、自分も愛してあげる事です。


 それは、周囲に合わせすぎず、「自由な自分」を許すこと。(猫のように)


 自分自身への批判、自己叱咤を緩め、自分を褒めてあげてくださいね。


 人間関係に疲れ、社交的である事に疲れてしまったら、今こそ自分への自己否定感や、罪悪感を見直すべきかもしれません。


 コロナウイルスと上手く付き合って行かなくてはいけないであろう、これからの時代、友達は少ないよりも多い方がいいとか、人脈は広く持っておく事が大事とか、そんな風に考えてしまう癖は、もう古い考え方なのかもしれません。


 ただし、自分のやりたい事のためなら他人に迷惑をかけたりワガママを通してもいい、というわけではありません。


 人はもともと、集合体を作って生活しているのですから、他人を傷つけず、自然に愛して、自分を害さないのなら、何をやってもOKとなる時代がいよいよ来たのかもしれませんね。