心理カウンセラーの風湖です。


 ある、母親からの質問がありました。


 「子供の勉強の成績を良くしたいのですが、どうしたら良いでしょうか。」


 最近は、新型コロナウィルスの影響で、学校も長期間休みになっていましたから、家で学校から出された課題などに取り組んでいた子供達も多いですよね。


 今も学校は登校も少なく、テストなどをするわけではないですし、塾なども休みになっていて通う事が出来ませんから、自分の子供が現在はどの程度の学力なのか、他の同級生達は、どのように勉強をしているのかが分からずに、気になって不安に思う親は多いと思います。


 学校の成績をアップさせたいと願うのなら、そのヒントはズバリ、脳の情報処理ネットワークを知る事がまずは大切なのではないかと思います。


 例えば昔、皆さんが受験勉強をする時、先生の話を聞くだけではなく、ノートに要点をまとめたり、まとめたものを声に出して読んでみたりするように教えられたのではないでしょうか。


 これは、「話を聞く」と「ノートに書く」と「声に出して読む」事によって、1つの情報を複数の方法でインプットしようという意図から来ているのです。


 人の脳の働きとして、五感があります。
 視覚、聴覚、身体感覚、味覚、嗅覚です。


 私は、子供が勉強する時に必要なものとして、五感プラス「感情」と「気持ち」が大切なのではないかと思うのです。


 どういう事かというと、まず情報というのは、視覚中枢や聴覚中枢から脳にインプットされますが、脳に入った情報は、視床下部を介して前頭前野に伝えられ、理解します。


 その途中に、その情報に関して
 「好き」
 「嫌い」
 「面白い」
 「面白くない」
 といった「感情」が生まれます。



 すると、その情報に関して、
 「この情報は大切かどうか」
 「考えてみる価値があるかどうか」
 というその人独自の「気持ち」の情報に変わって行くのです。

 
 そこから、やる気や、集中力といった勉強に取り組む姿勢が生まれて来るのですね。


 この前向きな気持ちを生み出すのに、脳内物質である、ドーパミンの分泌が大きく関係しているのです。


 ドーパミンは、興奮して幸せを感じる時に分泌される物質ですから、性格の明るい人ほど考える力が高いと言われるのは、こうしたメカニズムがあるからなのですね。


 つまり、ドーパミン神経の働きを活発にするような気持ちになるような勉強の仕方を、付け加えてあげれば良いのです。


 興味を持つ
 好きになる
 感動する
 意欲が湧く
 
 といった気持ちを鍛えると、あっという間に頭は良くなります。


 逆に、「嫌い」「面白くない」「つまらない」などの感情を持つと、脳は機能しにくくなります。


 皆さんは子供の時、嫌いな先生の授業で聞いた話は全然覚えられなかったという経験はありませんか。


 それは、「嫌いだ」という後ろ向きな感情を持った時点で、脳が「この人の話は覚えなくていい」と判断して、機能する事を止めてしまうからです。


 脳は、そうやって仕分けをする事で、必要以上の情報が入って来て頭がパンクしないように、自分で制御しているのです。


 私自身も、学生の時に苦手な先生がいて、その科目については「後で本を読んで勉強すればいいや。」などと思っていました。

 
 そして、いよいよテストが近くなって、いざテスト勉強をしようと思っても、何にも頭に入っていないから、どこから勉強すれば良いのか分からなくなってしまい、恥ずかしい結果になってしまった事があります。


 学校の成績を良くする秘訣は、実は意外な脳の働きを活用することも必要なのですね。




 そして、子供さんだけではなく、大人の皆さんも人の話を聞くときは、是非その人を好きになってください。


 そして、話の内容も「面白い」と思って聞くようにすると、自然に頭に入って来るようになります。


 好きになるという事は、それほど大切な事なのですね。


 なかでも、感動して「へえ〜」とうなずきながら人の話を聞けるようになると、本当に頭が良くなります。


 感動出来る人は、笑顔の素敵な人ですから、笑顔の素敵な人は頭が良い人だという事になります。


 逆に感動出来なくなると、顔の表情から笑顔が消えて行きます。


 それがもっと深刻になると、怒っていないのに普段から怒ったような顔つきになってしまいます。


 私は、自分の生徒さん達に、「朝起きて鏡を見る時に、必ず笑顔を作ってください。」とお願いしています。


 そうする事で、その日1日に出会う人や、出来事などを嫌いにならなくて済みます。


 常に笑顔の人は、人気のある人ですし、なにより年齢を重ねてもますます頭が良くなっていくのですから、今日も明日もずっと笑顔で参りましょうね。