心理カウンセラーの風湖です。

 「自分は今の営業の仕事に向いていないのだと思います。成績は上がらないし、上司に注意されてばかり。もう、転職を考えた方が良いのではないかと思っています。」

 

 「私には才能が無い。」
 「自分はこの仕事に向いていないから辞めたい。」

 と言って、なにかを諦めてしまう人はとても多いのです。


 ですが、ひとつの仕事対して向いている、向いていないとは、何を基準にしてそう感じるのでしょうか。

 少なくとも人が人生において何かを選択する場合、そこにはモチベーションとなるポジティブな理由や感情が確かに存在していたはずですよね。

 しかし、それが少しでも理想と外れていたり、上手くいかない事が続くと、いつのまにかそんなワクワクした期待感も影を潜めてしまいます。
 
 やる気を無くし、目標を見失い、ついには転職を繰り返してしまうのです。
 

 この社会には、新入社員の時には全く期待されなかったのに、自分なりの努力で大きく成長した人は山ほどいるのです。

 しかし、そんな人を羨ましく思い、「あの人はもともと才能がある。」と言い、自分はあっさりと負けを認めて、逃げようとしてしてしまいます。

 目覚ましいる成果を挙げた人や、いわゆる成功者達の「限在の姿」ばかりを見ているのですね。

 では、自分に向いている仕事をするとは、どんな状態になる事を指すのでしようか。



 私が考える「向いている」キーワードは、「大好き、嬉しい、興味ある」だと思っています。


 私は、「熱中」出来る自分が好きです。

 何故なら、何かに熱中をしていれば、自分の心に集中していますから、他人の姿も行動も気にならないからです。

 何かに熱中すると、苦労や面倒を感じることもなく、自分でどんどんやり方を工夫します。

 それが良い習慣になり、例えば誰かからの評価や誹謗中傷があったとしても、それすらも認めて自分の工夫の材料にしようと考えます。

 それはもしかしたら、子供の頃、好きな事に夢中になって、食事の時間も忘れてしまった時の感覚に似ているような気がします。

 自由に遊んで、毎日ワクワクしていたあの頃の記憶は、大人になった今にも繋がっているのに、いつの間にか忘れてしまうのですね。



 最近では、自分の子供に勉強や英会話などをやらせたり、英才教育をさせて安心している親がいますが、将来のためと考えてお金をかけるよりも、まずはそれにその子が熱中しているかどうかが大切なのではないかと思います。

 「子供がすぐに辞めたいと言うのです。」
 「飽きっぽくて、何も続ける事が出来ません。」

 そのような悩みで嘆く親も多いのですが、それは「好きではない。」「熱中出来ない。」と言う証拠です。

 これは、大人になって、

 「仕事が向いていないから、転職したい。」

 と嘆く事とよく似ているような気がします。

 あなたは子供の頃、何か他にやりたい事があったのに、親に反対されて諦めた事はありませんか?

 あるいは、自分なりに頑張ったのに、誰かにダメ出しされた事て悲しい思いをした事はありませんか?

 それらの経験が、大人になってからも自分で自分を否定する癖につながり、どんな仕事についても「向いていない」と理由を付けて、成功する前に逃げてしまう事に繋がってしまうのです。

 だからと言って、私は転職が全て間違いだとは思いません。
 熱中出来る事を探す場所を探すための転職なのならば問題はないのです。

 しかし、どんな仕事であれ、どんな趣味であれ、すぐに飽きてしまい、楽しんで取り組む事が出来ない自分に気づいたら、まずは自分に向き合って、自分の適正や価値を思い出してみましょう。

 そこから始まる才能がきっと見つかります。
 
 熱中出来る事、心から湧き上がる喜びを感じる事が出来たならば、それこそがあなたの成功へのはじまりなのです。