心理カウンセラーの風湖です。

 昔むかしのお話です。

 私が地方の下町に住んでいた子供の頃、住んでいた家の勝手口から、近所の酒屋さんから定期的に御用聞きの男性が訪ねて来て、酒やビール、醤油などの調味料の注文を受けに来てくれていました。

 また、近くの公園には自転車に乗せた紙芝居を読んでくれるおじいさんが来るので、大勢の子供達は十円を握りしめて紙芝居を楽しんで、紙芝居が終わった後にそのおじいさんが売るふわふわのお煎餅に水飴を挟んだお菓子を買って食べるのが嬉しかったですね。

 他にも、夕方になると笛を鳴らしながらお豆腐屋さんが来たり、わらび餅屋さん、焼き芋屋さん、おでん屋さんなどが町を回って来ていました。

 そんな商売をしていた人々も、今では時代の流れと共にすっかり姿を消して、世の中はだんだん便利に、近代化されて行きました。

 電車の切符は電子カードに、スーパーのレジはバーコードになりましたよね。

 いずれは、買い物カゴを持ったままスキャナーをくぐるだけで口座から自動引き落としされる、なんて時代がやって来るのでしょうね。

 世の中が便利になる一方で、新たな仕事も生まれています。

 WEBデザイナー、SE、情報セキュリティマネージャーなど、私が幼少時代には無かった職種もたくさん生まれて来ましたね。

 AIなど人口知能の出現により、冒頭のような懐かしき昭和のノスタルジーに浸る事も、古い人間のような気がしてなんだか恥ずかしいのですが、それでも当時を思い出すと面白く、快くも感じます。

 そして、現在では、世界中の研究者が、将来消えてなくなる職業をシミュレーションしています。

 それによると、「今小学校に入学した子供の65%は、大学卒業時には現在存在していない職業に就く。」と予測しているようです。

 私のような、カウンセラーでさえ、人工に開発されつつあるのだそうです。

 それでは、これからの時代、一体どのような仕事が将来まで生き残る事が出来るのでしょうか。

 歴史を紐解いてみると、かつてイギリスの産業革命や、日本でも明治維新などで同じような経験をしています。

 江戸時代には90%近くの人々が農民でしたが、技術革新に伴い、多くの人が失業を恐れました。

 しかし、実際には失業したのではなく、新たに生まれた雇用に伴って「転職」したのです。

 私達は、変化を怖がるのではなく、時代と共存して行く心構えが大切なのですね。

 それにはまず、何かに秀でている事よりも、柔軟な考え方が出来る脳が必要だと思います。

 そして、変化して行く何かをジッと待っているだけではなく、未来を自ら造る行動力も必要です。

 これからは、便利さや正確さは、全てロボットなど人口知能に持って行かれてしまいます。
 だからと言って、AIを敵視するのではなく、仲良く協力し合って行くように工夫するのです。
 
 ですから、これから必要な人材とは、ただ真面目に働く人だけではなく、加えて「人間らしさ」も求められる時代が来るのではないかと感じます。

 いかに楽しそうか、幸せそうか、嬉しそうかというイメージやエピソードを人に与えてあげられる、表情や言葉を考えられる人なのではないかと思います。

 これからは、多様化の時代です。

 不安な気持ちになったり、変化を怖がるだけではなく、ポジティブに変化を受け入れ、柔軟に対応して行く姿勢や、時代の流れを楽しむ行動力を鍛えていきましょう。