心理カウンセラーの風湖です。



 私達人間は、何かをする時には人の意見が気になるものです。

 ですから、誰かの意見を参考にするために相談をするのですが、あなたが何をしても、一部の人々はあなたの批判をしたがるものです。

 ですから私達は、その意見に対してポジティブな意見なのか、ネガティブな意見なのかを冷静に判断してその違いを知り、その両方に対処する方法を身につける必要があるのです。

 「大丈夫です。私は占いでもなんでも、ネガティブな事は信じません。ポジティブな事だけ聞くようにしていますから。」

 と、言われる方は多いのですが、そのネガティブな批判の方が実は人の脳に入りやすく、また、私達に悪影響を及ぼす事も知っておいてくださいね。

 意見や批判を聞く時は、それがその人の個人的な見解に過ぎない事を心に銘記しましょう。

 特に家族や友人に相談をする時です。
 その方が、もしも破壊的な批判をする人ならば、その人のそばにいると、自分についてネガティブな考え方をするようにだんだんなって行くのです。

 そもそも人は、誰かと比較をしては自分に自信をなくしてしまうという事を常にしているし、なによりも得意です。

 犬や猫は、そもそも自分が見えていませんから、他の仲間と自分を比較などしませんよね。自己や自我という概念そのものがありません。


 自分と他人を比較した時の心理状態を調べたデータがあります。

 「女性がスリムな人を見た時に、脳のどこが活動するのか。」という脳科学の調査によると、「不安」の回路が活動しているのだそうです。

 しかし、不安は重要な感情です。
 人は不安を感じた時に、予備的行動を始めるのです。「あんなにスリムで羨ましいな。」と思ったら対処するために行動を起こすのです。

 不安は向上心と表裏一体なのですね。

 
 少し前に、「いかに人は周囲の人々や環境に影響されやすいか」という内容の話が載った本を読んだ事があります。

 それは、このような話です。




 『昔、道端でホットドッグを売っている男がいた。目が悪かったので新聞を読まず、耳が遠かったのでラジオを聞かなかったが、一生懸命働いて商売を繁盛させていた。

 やがて、大学生の息子が父親の手伝いをするようになった。息子が「報道によると、最近は不況らしいよ。」と言うと、父親は心の中で思った。

 「息子は大学で学んでいるし、マスコミ報道を理解出来るから、きっと正しいに違いない。」

 父親は商売に力を入れなくなり、売り上げは激減した。

 父親は息子に言った。

 「お前の言う通り、最近は不況だ。」と。』



 私達の脳は、家族や友人を含めて周囲の人々の言葉に大変影響されやすいのです。

 ですから、人は、ネガティブな話題は出来るだけ排除して、ポジティブな影響だけを受けるようにするべきなのです。

 ネガティブな話題に耳を傾けていると、自分もネガティブな考え方をするようになりますから、目標や夢を実現出来なくなってしまいます。

 古代ローマの格言に、

 「のろのろ歩く人と暮らしていると、自分までのろのろ歩くようになる。」

 というのがあるそうです。

  周囲の人々と同じようにのろのろ歩いているうちに成功の可能性が台無しにしてしまわないように気をつけて下さいね。

 ネガティブな意見や批判を聞くのはもうやめて、明るい気持ちに切り替えて、周りを楽しく前向きな話題でいっぱいにしてくださいね。