心理カウンセラーの風湖です。

 小さい頃、家族と動物園に遊びに行った時、キリンの首は何故長いのかという質問を動物園の飼育係の男性に聞いた事があります。

 すると、その飼育係の男性は優しく「高い所にある木の葉を食べたかったから、キリンが首を長くしたいと願ったからですよ。」と、教えてくれました。

 そんな風に教えてくれたので、まだ幼かった私は、何でも願えば叶うのかな、と、なんとなく嬉しくなった記憶があります。

 願えばなんでも叶うなんて、ただの屁理屈なのだと言う方も多いとは思いますが、心理学を学ぶと、実は全く嘘だとも言えないようです。

 「ピグマリオン効果」と言う心理学用語があるのですが、聞いたことはあるでしょうか。

 ピグマリオンとは、ギリシャ神話に出てくる王様の名前なのですが、その王様が自分の好きな女性の彫刻を作ったら、その彫刻が人間になってしまったと言う神話から来た言葉なのです。

 ピグマリオン効果とは、とても強い願望を持つと、その願いが叶うという効果の事なのですね。

 この効果は、冗談ではなく、驚いた事に心理学的にも証明されているのです。

 例えば2匹のマウスを学生に与え、「AのマウスはBのマウスよりも頭が良い。」と伝えると、その2匹のマウスを使って様々な実験をした学生は、「Aのマウスの方が記憶力が良い」というデータを実際に提出したのだそうです。

 でも実は、その2匹のマウスは全く同じマウスだったらしいのです。

 人間の脳は、誰かの言葉を思い込むというクセがあり、ひとたび思い込むと、それが揺るぎない信念に変わってしまうのです。

 ですから、Aのマウスに対して「コイツは優秀だ。」と頭から決めてかかっているから無意識に扱いが丁寧になるのですね。

 教育現場でも、指導者が強く期待している生徒は、他の生徒よりも良く伸びたり、病院でも、「改善の見込みが高い」と診断された患者は、介護士が丁寧に看るので実際に良くなるのだそうです。

 という事は、自分の願い事があったら、強く願う、(正確には思い込む)事が出来れば、無意識がそうなるように集中し始めるので、本当に願望が叶う事もあるという事になるのです。

 そのためには、言葉の選び方も大切です。

 例えば、
「お金持ちになりたい」ではなく、「私はお金持ちだ。」なのです。

「綺麗になりたい」ではなく、「私は綺麗だ。」
「成功したい」ではなく、「私は成功者だ。」

 断言することによって、まずは脳に思い込ませるのですね。

 もしかしたら、外見や精神の年齢も、三層構造マスク 願望によって変わる事も十分にあり得るのかもしれません。

 「私はおばちゃんだから」と、日常から公言していると、それはそれでピグマリオン効果によって老化が促進されてしまいそうですよね。

 「私は太りやすい体質なの」と、言っていると本当にすぐに太るのに、「私はいくら食べても痩せちゃうの。」と、言っているとダイエットもお金を掛けなくても成功してしまうという話を聞いた事があります。

 思い込むとは、大切な事なのですね。
 実は、占いが当たるのも、ピグマリオン効果によるものだったりするのですね。

 先入観に凝り固まっていて、なんでも否定するよりも、楽しみながら価値観や信念を外す事が出来れば、もしかしたら本当の成功者になるという願い事も叶うのかもしれませんね。

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