心理カウンセラーの風湖です。前日の寝不足による夜間登山では、疲労やケガも増えますので、無理のない準備も大切です。
登山ルートによって特徴が異なるため、自分にあったルートを選択することも必要です。
そのルートにもよりますが、ご来光は、登山道の途中でも見ることができます。富士山の魅力は山頂のご来光ばかりではありません。
前日の夕刻に山小屋に到着してグッスリと休めば疲労も回復し、山頂付近の登山道の混雑も避けることができるのだそうです。
ちなみに、富士山は活火山ですから、突発的な噴火などに備えてヘルメットなどの装備を持参することを推奨されているのだそうですよ。
さて、よく「富士山に登ると人生観が変わる。」などと言う人がいます。
私の生徒さんの中にも、富士登山に挑戦し、見事に登頂したと言われる方は何人かいらっしゃいました。その感想を聞いてみると、皆さん素晴らしい経験でしたと言っていましたね。
しかし、中には「登る事に必死で、そんな風に考える余裕などなかったです。登頂した時は嬉しかったし、そこから見た景色は美しかったけれど、数分したらまた下山するのが大変だとしか考えませんでした。」と、言われる方もいらっしゃいました。
加えて、「凄く疲れました。もう富士登山は2度と行きません。」なのだそうですよ。
富士登山を終えた人によっては、毎年登りたいと考える人もいれば、もう2度と登りたくないと考える人もいると言うのは、なんとも不思議な話だなぁと思います。
それはやはり、物事への受け取り方がそれぞれ違うからなのではないでしょうか。
もちろん、山の頂上で永遠に生活をしようと思う人はあまりいらっしゃらないとは思います。
反対に、山の頂上付近で観光客を相手に仕事をしている方もいらっしゃいます。
人は、山に登れば通常の生活とは何か違う景色が見られるだろう、何か新しい発見や価値観が生まれるのではないかと期待して上を上を目指して歩くのですね。
しかし、せっかく登頂出来て、素晴らしい景色や天気に恵まれたとしても、それを実感したり感謝したりせずに、すぐに下山の事を心配して不安や愚痴をこぼしていては、その素晴らしい経験をした事も感激も半減してしまいますよね。
ただの「話のネタ」で終わってしまいます。
さて、「人生の」山と谷なんてよく言われるように、仕事や私生活で味わう浮き沈みの事、いわゆる順境と逆境の例えとして山と谷を表現するのは一体何故なのでしょうか。
人生に山と谷があるのは、地上に自然の山と谷があるように普通の事なのです。ただ違うのは、人生の山や谷は、やはり人によって目指す高さも違うし、感じ方によって良くも悪くも印象が変わると言う事なのです。
それは、世界中のどの人も、どの文化圏の人も同じなのです。
長く山頂に留まりたいと願うのならば、そのための万全な準備が必要です。
最初からすぐに下山することを考えていたら、なんの準備もしていませんから、居心地が悪くて不安だらけで安定できません。
霊峰富士と言われるように、富士山には霊が宿っています。登るのが難しいと言われる世界中の山は、その霊で天気の移り変わりや難関場所の多さなどで登頂を拒否される場合もあるのだと聞いた事があります。
それと同じで人生の山でも、感謝と謙虚さが必要なのではないかと思います。
登頂出来たからと言って、自分1人の武勇伝で終わらせたり、威張ったりしていては、いずれ谷に引きずり下ろされてしまいますね。
それでも、いつまでも谷にいるのが嫌になったら、今から準備を始めましょう。
そして少しずつ、その途中の段階で見られる景色も楽しみながら、登りましょう。
そして、登ったら、少しでも長くその場所にいられるように、覚悟することが大切です。
怖くはありません。準備と、感謝と、謙虚さがあれば、長く長くそこに留まって、そこでまた誰かのために働く事ができるのですから。
そこにはきっと、違う景色が待ち受けているに違いないのです。