心理カウンセラーの風湖です。

 昨日は仕事が休みだったので、録画していたある映画を見ていました。

 「ラブリーボーン」という題名の映画です。

 「ロード・オブ・ザ・リング」の、ピーター・ジャクソン監督が2009年に世に出したファンタジー映画ですが、私はそれまであまり知識がありませんでした。

 見た事のある方はいらっしゃいますでしょうか。

 あらすじを少し説明しますと、スージー・サーモンという女の子が主人公です。

 元気で可愛らしく、動物写真家を夢見るカメラが好きなスージーは、大好きな家族と暮らす幸せな日々でした。

 でも、1973年12月6日、彼女は14歳で近所に住む、少女ばかりを狙う殺人鬼の男性に殺されてしまいます。そして、綺麗な景色の広がる、幻想的な天国に向かう道の途中で、スージーは引き返してしまいます。

 まだ家族と一緒にいたい。大切な人にもう一度会いたい。自分を殺した犯人を家族に伝えたい。

 そんな風に考えたから、まだ天国へは行けなかったのですね。
 
 でも、天国から私の想いは届きません。そして、闇は残された家族へと迫って行きます。

 触れることはできないけれど、きっと私にも何かできるはず。私の声が聞こえるはず。でもこれは、天国に行ってからのお話なのです。

 ベストセラーになった小説を映画化した、とても切ない気持ちになる物語でした。

 「ラブリーボーン」という題名からは想像も出来ないくらい、深くて怖くて、そしてとても感動する映画でした。

 
 もしも、あなたがあと少しの時間で死んでしまうとわかっているとしたら、会っておきたい大切な人がいるでしょう。

 走馬灯のように人生がフラッシュバックして行くかもしれません。

 ああ、あれをしておけば良かった、これもしておけば良かった、と、後悔の念が湧き上がるでしょうか。

 この映画のお話は、私達にとって、決して非現実的な話ではありません。
 いつでも、当たり前に起こりうる、現実的な話なのかもしれません。

 映画を見終わった私は、「ああ、生きていて良かった。今日もこのかけがえのない1日を思い残す事なく大事に生きて行こう。」

   そう、感じました。

 そして私は、昔参加したセミナーで聞いた、ある経営者の男性の言葉を思い出しました。

 「目標は、目を大きく開いて見るものです。そして夢は、目を閉じてじっくり見るものです。つまり、目標は未来に向かってこれから努力して叶えるもの。夢は、過去に楽しかったこと、嬉しかった事の気持ちをもう一度味わいたいと願うものなのです。」

 目標は、今はなくても大丈夫なのです。
 しかし夢は、いつでもいくつでも思い浮かべる事が出来ます。

 そして、目を閉じて思い浮かべる事が出来た夢は、今すぐにでもやり始めましょう。

 「人は、いつか必ず死ぬということを思い知らなければ、生きているということを実感することもできない。」

   これは、ドイツの哲学者、マルティン・ハイデッガーの言葉です。


 死を迎える直前には、「ああ、これまでの人生、いろいろあったけど、いい人生だったな。」と、思いながら死にたいと思うのは、私だけでは無いはずです。

 そのために、私はいつも幸せを感じています。

 人生は、幸せに「なる」のではありません。
 今、この時、幸せで「ある」のですから。