心理カウンセラーの風湖です。
少し前にオーストラリアに旅行に行きました。
皆さんもご存知のように、オーストラリア大陸にはその国独自の様々な野生の動物達が生息していて、その広大な土地では、人間と動物がお互いのルールやマナーを尊重し合いながら生きています。
人間が生活するエリアの道路に、野生動物横断注意の看板などは普通に立っています。
オーストラリアに住んでいる人達がとても明るくておおらかに思えるのは、そんな動物達との関わりの中で、ルールによって統制されすぎる事はその種に絶滅の危機をもたらすという事につながるからではないのかなと思うのです。
突然ですが、ある生き物がその種を次の世代に繋げて行き、存続するために1番大切な事は何だと思いますか?
オーストラリアのタスマニア島に、タスマニアデビルという世界最大の肉食性有袋類がいますね。見た目は小さな黒いクマのような動物です。
しかし、タスマニアデビルは、人間の乱獲によって一度数を大きく減らしたそうです。
何故なら、家畜を襲うと誤解されて駆除されてしまったからなのだそうです。
その後誤解が解けて始められた保護活動によってまた一時的に数は増えたのですが、実は、種全体が感染症のガンに犯され、現在はまた絶滅の危機にあるそうです。
すでにこのガンは大流行していて、何年後かにはタスマニアデビルは絶滅してしまうだろうと言われているのだそうです。
アメリカのバッファローや、中国のパンダなども同じです。
その理由は、「遺伝的多様性」が失われた事にあるのだそうです。
一度数を減らしてしまうと、遺伝的な多様性は、失われて戻らないのだそうです。
つまり、いろいろな性質を持った個体がいる事が、環境の変化をはじめとする様々なリスクへの備えとなるのですね。
実は、私達人間も同じなのだそうです。
新型コロナや、インフルエンザ、エボラ出血熱などのパンデミック(世界的流行)が恐れられているのは、遺伝的に人類が皆、似通っているからなのですね。
肌の色が違っていても、体格が違っていても、見た目ほどには遺伝子には違いは無いという事がわかりますね。
これは、遺伝的な多様性の問題だけではなく、人間関係や社会生活の中でも当てはめて考える事が出来るのではないでしょうか。
どの人も同じテンションで同じ方向を見て、同じ意見で同じように全力疾走している会社はなんとなく危険な感じがするのではないですか?
それでも最近では、だんだん自分を主張する方も多くなって来たような気がします。
それは、性同一性障害の方や、LGBD、女装家と言われる男性の方や、ADHDなどの生まれながらの性質の持ち主の方、あるいはYouTuberやフリーランスなどの様々な働き方が世界的に認められて来たからという側面もあるのでしょうね。
画一的でルールを徹底してそれを守らせる事も、たしかに集団生活においては大切な事です。
しかし、それに合わない人、ルールに従わない人もまたある程度の規模の集団がさらに発展して行く為には必要なのではないでしょうか。
私が担当している心理学講座の生徒さんの中にもいろいろな方がいらっしゃいます。
たまには自分中心的で、自分の都合ばかりで行動する人もいらっしゃいます。
でも、そんな皆さんから私の方が教わる事もたくさんありますし、みなさん優しくて良い方ばかりです。
ですから、私は大歓迎なのです。もしかしたら1番変わっているのは私自身なのかもしれません。(^^)
そんな多様性に富んだ生徒さん達が、お互いを主張しあいながら、そして刺激しあいながら成長して行く姿を見ることで、私も勇気をもらい、どんなタイプの生徒さんにも喜んでいただけるようにどんどん発達し続ける心理学教師を目指して行きたいと思っています。