心理カウンセラーの風湖です。

 新型コロナウィルスによる緊急事態が少しずつではありますが、ようやく収束に向かい始めて来ました。

 東京でも、徐々に街中に活気が戻って来たような気がします。

 私も、いよいよ本日からリモート映像による心理学の授業に復帰します。長い間、授業の開催を待っていてくださった生徒の皆さん、本当にありがとうございます。

 それに伴って、昨日はなんと、超アナログ人間のこの私が、SEの生徒さんからアドバイスを受けながら、(ちょこちゃんありがとうございました)慣れないパソコンを立ち上げて、パワーポイントの資料作りをするべく、一日中奮闘しておりました。
 
 生まれて初めてのリモートによる映像授業に挑戦する事になり、とても楽しみです。
 朝からワクワクしています。

 しかし、あくせくと慣れないパソコンと格闘しながら、私はふと思いました。

 「もしかしたら、これからの時代は通信や映像による授業や習い事は当たり前になって来るだろうから、そうすると、生徒さんが日本全国からSNSなどで口コミで良い先生を選んでから受講する姿が当たり前になって来るのかも。」

 某予備校のように、個人が映像機器の前に座り、イヤホンで聴きたい先生の講座を選び、学校まで足を運ぶ事なく心理学を学んだり出来るのであれば、小さな子供さんがいらっしゃるママさんなども気軽に習い事や資格が取得しやすくなります。

 時代の流れで日本も実力主義の世の中になりますから、どんな学校の教師でも、ますます、その人間性や信頼度が重要になって来ますね。
 
 それでも人々がひとつの教室に集合して、ワイワイ雑談しながらの授業がだんだん少なくなってしまうのは少し寂しい気もします。

 最近は全く見なくなりましたが、昔懐かしい日本の風景の一つに、「芋洗い」の場面を思い出す事があります。

 若い人達は知らない方もいらっしゃるでしょうね。「芋洗い」とは、大きな木桶に芋と水をいっぱい入れて、その桶の縁に上がり込んだ若い男性が二本の丸太の棒で、ヨイショ、ヨイショと掻き回すのです。

 その力に押されて芋は上から下へ、下から上へ、そして左右にも移動して、大小さまざまな形の芋の姿が現れては消え、消えては現れて来るのです。

 幼い頃、下町に生まれ育った私は、そんな勢いよく掻き回される芋がみるみる綺麗に磨かれて行く風景に時々ぶつかって、楽しみに眺めていた記憶があるのです。

 上にあるものも、いつまでも上にいるとは限りません。また、下にあるものも、いつまでも下積みでいるとは限らないのです。
 やがては上に上がって来て、下に降りて来る。

 まるで、人間関係の縮図みたいだったな、と今になると思い出します。

 人間も、他人とぶつかり合って成長し、表情も凛として姿勢も立派に綺麗になって行く。心が磨かれて、強くなって行くのですね。

 人が集まるという事は、人を育てるという事のような気がします。

 そんな人間関係ならではの学びや経験は、当然、人が集まらなければ出来ません。

 心や身体が磨かれて、大人になって優しく誰かを育て、やがて謙虚に静かに晩年を過ごすのも、人生のプロセスとして大切な事なのではないでしょうか。

 最近では、家の中で世界中の映像や一般常識がスマホやPCですぐに検索出来る時代ですから、わざわざ外へ出なくてもさまざまな知識は得られます。

 経験や歳を重ねた大人よりも、家の中にいる若い人の方が、たくさんの知識がすでに備わっているのかも知れません。

 それはとても素晴らしい事ですよね。

 しかし私は、他人の声を近くで聞いて、表情を間近で見て、その人の温度を感じて伝わる何かも、大事にしたいと思うのです。

 いつか会えるであろう、あなたとの出会いを私は今から心待ちにしていますね。

 さて、今日の映像授業も楽しく参りましょう!