心理カウンセラーの風湖です。
最近、日本の教育制度の改革においての賛否両論が巻き起こっていますね。
9月を新学期にするなどという教育制度や、週休3日制にして、家族の協力や愛情などを感じながら自宅での勉強などにも取り組むようにする法案なども出て来ているようです。
ある情報番組では、タレントの母親が「教育制度の見直しには、政治家だけではなくまず親の意見や環境を尊重すべきだ。」と、訴えていらっしゃいました。
私は、特にその国の教育制度自体が人間の成長そのものを遮るとは思いませんが、近い将来には何か子供達を巻き込む大きな変化が巻き起きるのだろうなとは感じています。
それに賛成であろうが反対であろうが、人間の一人一人の考え方はそれぞれ違いますから、どんな結果になろうとも柔軟に対応する気持ちの覚悟は少しでも持っていた方が良いのではないかと思うのです。
最近では、世界中を巻き込む感染症の影響により、スポーツに長い年月を費やし、オリンピックやプロを目指して家族一丸となって頑張って来たアスリートの若い人達の夢が、いとも簡単に崩れてしまうという、悲しくて辛い現実が突然突きつけられましたね。
そのようなとても残酷だと思われるような時代の流れにも、人間はいつか心を切り替えて対応していかなくてはならないのです。
涙を堪えながら、「仕方がない」と思って諦めようとしても諦められない子供達の悔しくて悲しい表情が胸を打ち、こちらにもそのやるせない感情が伝わって来ました。
そして、私は考えます。
教育とは、一体なんなのでしょう。
教育と聞くと、「勉強させる。」「良い成績を取らせる」など、子供に何をさせてあげるのか、と考えがちですよね。
それもとても大切な事なのですが、本当の「親がすべき教育」は、「どんな環境の中でもその子に運を備え付ける教育」なのではないかと思うのです。
心理学では、「思考は現実化する」を実証する研究結果が出ていますから、思考や言葉の教育はとても大切だと私は考えます。
例えば、普段から親が汚い言葉を使わない、とか、不平不満を子供の前では言わない、とかもそうです。
よく、「学校でおかしな言葉を覚えて来た。」と嘆くご両親もいらっしゃいますが、親が普段から綺麗な言葉を使っていれば、子供は汚い言葉には嫌悪感を示すようになるものなのです。
つまり、そういう友達とは距離を置くようになって行くのです。
子供は、親の真似をして育ちます。
ですから、親が汚い言葉を常に使っていたり、他人や世間を馬鹿にしたりする言動をしていると、子供もそれを真似します。そして親と同じように汚い言葉を吐くようになり、周りにもそのような友達が増えて行きます。
世間では「親子は似てくる」と言いますが、当然の事なのですね。
世界的に発展的な精神医学の研究者であるイハレアカラ・ヒューレン氏は、こんな風に言っていました。
「幸せな女性は、幸せな子供を育てます。幸せな子供は幸せな社会人となり、幸せな国を作ります。」
そして、マザーテレサの有名な言葉もありますよね。
「思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。
言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。
行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから。
習慣に気をつけなさい、それはいつか性格になるから。
性格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから。」
つまり、全ては思考と言葉からはじまっていると言うこと。思考と言葉を変えれば、やがて運命をも変えられるのですね。
時代の変化に疑問を覚えて不平不満や他人を攻撃するのではなく、新しい時代を迎える今を経験出来る子供達は、実はとても幸せな事なのかもしれないと考えて子供に伝えてあげる事も大切な教育なのではないかと思うのです。
そして、「自分には何が出来るのだろうか。自分に出来る事はなんなのだろう。」と、親子で一緒に考えて、勇気を持って行動が出来る人に育てる事。
それこそが私達が出来る素晴らしい教育のひとつなのではないかと思うのです。