心理カウンセラーの風湖です。

タレントの武井壮さんが、あるラジオ番組でこんな言葉を言っていました。

「自分の強みって、自分が毎日何時間でも飽きずに続けていられる事なんだと思うんだよね。僕にとってそれは体を鍛える事だったんだけど。それを他人から認められるのには時間がかかると思うけどね。でも、好きならあれこれ考えるよりもまずやった方がいいと思うんだよね。」

彼は、自分の強みである陸上競技で世間に認めてもらいたいと思い、子供の頃から一日中身体を鍛え、あまり他の誰もやっていないであろう十種競技で世界一になりましたが、その事であまり他人から認められる事はありませんでした。

39歳までずっと就職せずに、「百獣の王」としてTV番組に登場してからの彼の活躍は誰もが知っていらっしゃるとは思いますが、それも全て彼が好きな事を諦めずに続けて来た事が「認められた」という結果に繋がったのだと思います。

彼は言います。
「自分は普通の人間です。特に才能があるわけでもないし、挫折もたくさん味わって来ました。ただ好きな事を楽しんでずっとやり続けて来ただけなんです。」と。

「小さい時から脳を鍛える事が大事。」と、良く言われますが、これは脳の神経細胞を刺激する事と、脳の神経回路を作る事の違いを認識せずになされている論議なのだそうです。

例えば、少し前に幼稚園の運動会などで「頑張っている子供達に順位を付けるのはかわいそう。」と、かけっこはみんなで手を繋いでゴールするというような事が行われたり、保護者の意見でマラソン大会が廃止されたりしたそうですが、これは脳科学の立場の方からすると最悪の方法と言わざるを得ないのだそうです。

人間の脳が育つ仕組みを完全に無視しているからです。

子供達が遊びの中で健全な競争をする事は、大人の競争社会に子供を巻き込む事とは全く意味が違います。

「かわいそう」だと思うのは、子供に向けての言葉ではなく、親が「自分の子供がビリになるのを見ている自分」に向けている言葉なのではないでしょうか。

脳は、その発達段階でまた別の、生まれた後に発生してくる本能を作り上げて来るので、「恥ずかしい」を教える、「善悪」を教える、「我慢」を教えるという躾も大切なのです。

そうする事によって、イキイキと考えを生み出す脳の仕組みが育って行くのだそうです。

事実、子供時代にはそれが素直な形で行動や言葉、考えに表現されていきます。

また、社会人として自分は何を求めて行けばいいのかのヒントが浮かび上がって来ると私は考えています。

子供の個性を無視したエリート教育がはびこってしまった結果、その子供は成長すると、働く事に意味を感じない若い世代の「高学歴ニート」や、何もかもが面倒だと思うタイプの「引きこもり」などに移行して行ってしまうのですね。

それらの子供達に共通して言える事は、「好き」「楽しい」「興味がある」という子供の感情を大人が全く否定するような、ピント外れの平等主義の教育が広まった結果、「誰かに認められない事はする意味は無い」と考えてしまう価値観になってしまったという事なのではないかと思うのです。

人が成長する時に必要な感情、それは、
「恥をかく」「失敗する」「切羽詰まる」
の3つなのだそうです。

その経験により、子供達は、「自分の強みとは何なのか」を自分で追求し、自分の将来を自分で見据えて努力する大人になって行くのですね。

好きな事を追求した結果、百獣の王になって社会的に認められた武井壮さんを、私はリスペクトしたいと思っています。

世界中が緊急事態の今現在、誰かと比べる事自体が不可能だし、無意味になっているのではないかと思います。

学校へ行く事も許されず、辛い思いをしているのは子供達なのに、親は誰と比べて「勉強が遅れる」と心配しているのでしょうか。

この緊急事態が終わった後には、「新生〇〇!」と、笑顔で成長した子供達の姿がたくさん見られる事を私は心待ちにしています。

もちろん、大人達も、自分のやってみたかった新しい何かにチャレンジしてみて下さいね。

私も、心理学の教師と心理カウンセラーの仕事を通して、いつか誰かに認めらたらいいなと思いながら、生きる事をもっと楽しみたいと思っています。