心理カウンセラーの風湖です。
買い物をしようとスーパーマーケットに出かけ、お金を払って家に着いたら、一番買わなくてはならなかった物を買い忘れた事に気づくという経験は、誰にもあるようです。
そんな時、「さっきまで覚えていたのに、老化現象なのかしら。」と考えて落ち込んでしまいますが、心配する事はありません。
子供でも良くある事なのだそうですから。
では何故、このような事が起こるのかというと、脳は常に新しい情報に対応するように出来ていて、スーパーマーケットで買い物をしている途中で違う事を考えるからなのだそうです。
いくら勉強しても頭に入らないという人は、ひとつの勉強が完結していないのに「だいたい出来た。」と次の事を始める、これを繰り返しているからなのですね。
特に、家の家事を担当していらっしゃる方は、用事が次々に思い浮かびますから、ひとつ前に考えた事を忘れてしまう事は仕方のない事なのです。
あるフィギュアスケートの名選手でも、難しいジャンプを成功させた後に、「笑顔で演技するように」と、コーチに言われた事を思い出した途端に、なんでもないところで転んだりしてしまうのだそうです。
途中で違った事を考えると、肝心のスケートティングがおろそかになってしまうのですね。
それくらい、脳は正直なのです。
気になった方向に集中すると、そう考えたとおりになって行くから気をつけてください。
ですから当然、思考がネガティブに偏ると、その行動や習慣まで無意識のうちにネガティブになって行ってしまうのですね。
ところで最近は誰もが自宅で過ごす時間が多いですから、皆さんはだいたい同じ事を繰り返して生活していらっしゃるのではないかと思います。
そして夕方くらいになると、「ああ、もう少しで一日が終わるな。」「今日は特に何もしなかったな。」と思うのではないでしょうか。
一日のゴールを意識すると脳の中の「自己報酬神経群」という細胞では、もうその日は終わったと判断して、そう思った時点から考える仕組みが働かなくなるのだそうで、その結果、それ以降は全く考える事をしなくなるのだそうです。
一日が目まぐるしく過ぎて行くのは、そのような脳の仕組みが関係しているのですね。
実際に、心理学の研究では「もう50歳。」と考える人と、「まだ50歳。」と考える人とでは、その見た目だけではなく、健康や寿命にまで10年の差があったそうです。
ただ毎日を何事もなく過ごして行けばいいと考えるのではなく、その毎日の過ごし方にもこだわって、仕事や家事の達成の仕方にこだわってください。
例えば、
・毎日を自分に対するご褒美と考えてワクワクした気持ちになる。
・明るく前向きに考える。
・誰かの為に貢献するという気持ちになる。
・最後まで気を抜かずに一日を感動する。
・何にもする事が無くても、何か新しい事をしようと考える。
すると不思議な事に、ネガティブに考えなくなるどころか、新しいアィディアがどんどん浮かんでくる脳に変わって来るのです。
世の中は一日毎に目まぐるしく変わって行きます。自分一人がいくら考えても仕方のない事は考え無いようにしましょう。
「どうしよう」と不安に考えるのではなく、「どうなってるか行くのかしら。」と、ワクワクしながら毎日を過ごして行きましょうね。