心理カウンセラーの風湖です。

私が心理学を始めようとしていたとき、何気なく友人に相談をしてみました。

何かを始める時には、やはりたくさんの時間とお金を使いますから、まだ子供達も小さかったですし、シングルマザーだった私には少し考える時間が欲しかったのです。

しかし私の心の中では、すでに「やってみたい!」と言う気持ちが高ぶっていて、8割方は心が決まっていたのですが、その選択には自分だけの主観的な視点だけではなく、他人から見た客観的な立場からのアドバイスも参考にしてみたかったのです。

駅前のカフェでその話題を私が相談すると、彼女は少し呆れたような顔で私に言いました。

「ハァ?心理学?何を目指してそれを学ぶわけ?しかも、凄くお金掛かるのね。子育てもあるのに。」
「私だったらやらないと思うわ。もったいない。今更勉強なんてしたくないわよ。私ならそのお金で家族で旅行に行くわね。」

彼女とは、学生の頃からの長い付き合いでしたから、決して私の行動をいつも批判ばかりしている訳ではありません。どちらかと言えば優しく心配してくれたり、楽しく会話を楽しんでいた友人です。

その彼女からの多少厳しいと思うその台詞は、そのまま私が心理学を始めるきっかけとなりました。
ですから、友人のその言葉には感謝しなくてはなりません。

何故なら、わたしが常に悩んでいた、いつもモヤモヤしてばかりで自分でも気づかなかった「何か」を、彼女が教えてくれたからなのです。

私だけではなく、人は生まれた瞬間からたったひとつの欲望に突き動かされて生きています。

「自分の存在価値を他人に受け入れて欲しい。もっと高く評価されたい。承認されたい。愛されたい。」

つまり、自分の気持ちを共感して欲しいと思う事よりもまず、人から好かれたい、あなたは正しいと言われたいのですね。

自分に自信の無い人は、相手に受け入れてもらおう、認めてもらおう、評価してもらおうと媚びた姿勢になっています。

他人に評価してもらうために自分の気持ちをごまかしてしまう習慣が付いてしまっているのですね。

しかし人は、「とにかく自分の好きなようにやりなさい。自分を譲らず、自由に我が道を行きなさい。」と言われると、逆に悩んでしまい、何も出来なくなってしまいます。

何故なら、小さい頃から親や学校の先生から常識と呼ばれる価値観にしたがって生きて来ましたから、誰かから言われた事に従って行動する方が楽だし、より良い選択なのだと考えるからなのです。

そしてその考え方が自分の行動を制限してしまいます。自分勝手で自己中心的な人は、いずれ誰からも相手にされなくなるのが分かっているからです。

そんな風に我が道に迷ったら、今こそ恐れる事なく「ワガママな心」で決めて、どんどん前に進んで行く事をお勧めします。

先の見えない世の中です。
何が正しくて何が間違いなのか、何が常識なのか偏見なのかがわからない緊急事態が今、現実に起こっているのです。

自分の車の運転席には、あなたがいるはずですよね。
ドライブの行き先は、運転手であるあなたが行きたい場所を決めるのです。

アメリカの第16代大統領、エイブラハム・リンカーンの言葉です。
「君の決心が本当に固いものなら、もうすでに希望の半分は実現している。
夢を実現させるのだと言う強い決意こそが、何にもまして重要である事を決して忘れてはならない。」



ちなみに私は、その友人とのコーヒータイムが終わったその帰り道で、心理学を学ぶ決心をしました。
でも、その頃はまだ心理学の教師になろうとは思ってもいませんでしたけれど。

たまには何かを自己中心的に決めてしまっても良い結果が訪れる事もあるのではないかと思うのです。

それによって成功は必ずしも約束されていませんが、成長は必ず約束されているのではないかと思います。

ある意味、子供のようにまっすぐに生きる事を目的として欲しいと思っています。

誰かと共感しあいながら生きる事も、自分の軸を確立する事が出来たならば、それはそれで楽しいものなのですから。