心理カウンセラーの風湖です。
人としての本当の美しさや、人を惹きつける魅力とは、一体どんな物なのでしょうか。
ある美容整形の先生が書いた本を読んでいたら、興味深い内容のものがありました。
人間の顔における目鼻立ちの黄金比率は、数値的にはあるのだそうですが、その黄金比率とおりの顔を作っても、美人だと思われないのだそうです。
もちろん凄く整った顔をしているのだけれど、他人には美しい顔だとは気付かれないのですね。
だから、少しバランスを崩してあげた方が良いのだそうです。
目を少しだけ大きくしたり、顔をちょっと丸くしてあげた時に、初めて人が「この人は綺麗だなぁ」とか、「かわいいな」と、気付いてくれると言うのです。
つまり黄金比率通りの顔は、地味過ぎて印象に残らないという事なのでしょう。
例えば、動物園にいる生き物の中で子供達の人気者といえばキリンやゾウなのですが、あんなに長い鼻や首は自然淘汰によっては絶対に生まれません。
動物学では「ハンディキャップ理論」というのだそうですが、いかにも生きにくい体型は、実は男としての余裕を表すのだそうです。不都合な身体は、生命力を代弁しているのですね。
鳥で言えば、クジャクがそうですよね。
あんなに長い羽を持っていたら飛びにくいだろうから、敵に襲われた時に素早くは逃げられません。
でも、人気があります。
何故かと言えば、そのような姿をしていても、生き物として気品があるし、余裕を感じさせるからなのではないかと思います。
人間の世界でも似ていますよね。
健康的には痩せている人の方が良いのは分かっているのに、何故か太っている人に安心感を覚えたり、イケメンと呼ばれる男性よりも、少しバランスの崩れた顔をしている方が親しみやすかったりします。
クジャクの羽みたいなある種の奇形、誰よりも目立つ奇異な生物は、その生命力よりも気品に溢れていて、異性から特別な存在だと思われるという事なのではないでしょうか。
ところで、「私は、容姿はどうだっていいわ。お金持ちが好き。」と、言われる女性もいらっしゃるでしょう。
しかし、年収が高いほど浮気が多いというデータもありますから、安心ばかりはしていられませんよね。そういう視点からすると、お金や高級車も豊かさの象徴ですから、異性を惹きつけるクジャクの羽みたいなものかもしれません。
人は、「合理性とはかけ離れているのに生きる余裕を感じさせる。」ものに魅力を感じるのでしょうね。
デフォルメされた物、無意味に過剰な物の中に潜むその凛とした上品さ、生きていく事に前向きな姿勢に生き物は「美」を感じるのでしょう。
本当に美しい人とは、顔形の整った人や、五体満足で全てが整っている人だけではなく、多少のハンディキャップがあったとしても常に口角が上がっていて、その表情に余裕を感じさせる人なのではないでしょうか。
誰かに嫉妬をするのではなく、自分の容姿ばかりを気にして落ち込むのではなく、そんなあなただからこそ出来る何かを探して余裕のある心で人生を歩んで行って下さい。
私が大好きなイギリスの女優、オードリー・ヘップバーンはこういいました。
「私にとって最高の勝利は、
ありのままで生きられるようになったこと。
自分と他人の欠点を
受け入れてられるようになった事です。」
私は、自分嫌いな人と接するたびに、「もっとありがままの自分を愛すればいいのに。」と、いつも思うのです。