心理カウンセラーの風湖です。

「私は、何度か転職を繰り返しています。この仕事なら自分に向いていると思って就職しても、何故かすぐに失敗し、その仕事は自分には向いていないような気がして来ます。」

これは、ある若い女性からの悩みなのですが、じっくり話を聞いているうちに、その女性が抱える強固なある信念が見えて来ました。

それは、「自分はしっかりしなくてはならない。」という、無意識から来る信念です。しかし、頭の中のその言葉がかえって自分を苦しめてしまっていたのです。

小さい頃から「しっかりしなさい。」と親に言われて育った子供は、「私はしっかりしなくてはならない。」という信念のもと、毎日を生きて行きます。

ですから、自分の行動を人から注意されただけでも自己嫌悪に陥ってしまいます。
「自分はしっかりしなくてはならないのに、こんな事すら出来ない情けない人間なのだ。」と。

誰かに注意されたり、行動を指摘される事が、そのまま「あなたはしっかりしていない」のだと言われている様な気がして、恥をかいてしまったという後悔に繋がってしまうのでしょう。

その裏には、「お客様主義」という風潮が見えて来ます。

「お客様主義」とは、自分ではなく、相手の気持ちを尊重し、相手のプライドを守り、どうすれば相手が心地よいかを気にかけ続ける事です。

究極の気配り、心配りだと言っても良いでしょう。

それでも「しっかりしよう。」という、自分自身の考え方や、信念や理念を持って生きて行く事はとても大切です。

しかし、劣等感が強く自信の無い人や、本当の「自分が好き。」になれずに心が満たされていない人は、他人からの指摘や意見の食い違いを受け入れると自分の心や信念までもグラグラと揺らいでしまうのです。

自分を信じる「軸」が無いと、相手が怖くなり、拒絶してしまい、その環境からも逃げたくなってしまうのです。

そのような隠れたコンプレックスが、転職を繰り返してしまう原因のひとつのような気がしますね。

では、どうすれば良いのでしょうか。

それにはまず、「しっかりしよう。」と思う前に、「自分を好きになろう。」と思ってください。

「自分好きな大人」に成長している人は、そのような他人との食い違いや、指摘を素直に受け入れる事が出来るのです。

何故なら、その食い違いを受け入れても、自分の信念や哲学、使命感が揺るがない強さを持っているからです。

それでも、他人の目線が気になり辛いと感じたら、少し目を閉じて自分の心を小さな子供の頃に戻してあげてください。

小さい子供は、自分の事で精一杯です。
だから、相手の気持ちなんて理解出来るわけもなく、わがままを言ってしまいます。
ですから、大人に叱られる事など日常茶飯事ですよね。

たまには、「利己主義」でもいいのです。

著述家の小林正観の言葉です。
「人に迷惑をかけたくない。」
と、意気込むより、
「迷惑をかけながらでしか生きられない。」
と思い、周りの全てに感謝せよ。

完全な人間などいませんし、人は常にネガティブな感情に流される、弱いものだと思います。
そして人は何故か、ヘルプミーと頼って来る人を愛おしく思い、好きになるものです。

迷惑をかけながら生きていても、その言葉をありがたく感謝して成長していけば、後からあなたを責めるなどいないのです。