心理カウンセラーの風湖です。
新型コロナウィルスによる感染拡大の影響で、たくさんの人達が自宅待機を余儀なくされていますから、精神的に疲れて来てしまっている方も多いのではないでしょうか。
自分の生活を自分でコントロール出来ないほど辛い事はありませんよね。仕事が出来ない、外出が出来ない、自由がないなど、終わりが見えない現実の不安は、私達を常にイライラ、モヤモヤとさせてしまいます。
「今の状況を受け入れ、前向きに考える事が大切なのは分かっているのだけれど、またすぐにネガティブな感情が襲って来る。考えれば考えるほど落ち着かない。」
そんなイライラを強く感じる方の中に潜む信念、それはもしかしたら「完璧主義」なのかもしれません。
私が人々と話をしているうちに、人間の習性の中で最も厄介なものの1つが、この「完璧主義」なのではないかと思うのです。
多くの人が気付いていないとは思いますが、完璧主義であるがために、「何かしたい。しなければならないのは分かっているのだけれど、今は出来ない。」というジレンマが襲って来るのです。
その理由は、「物事を完璧にする事が出来ないのではないか。」という恐怖なのです。
完璧主義者は、常にどこか間違っているところを探しています。
そして、間違いに意識を向けているために、間違いを探し出す癖のある人です。
さらにこのような人は、何かあるいは誰かが完璧でないとショックを覚え、怒りさえ感じてしまいます。
完璧主義の方は、恋愛についてでも同じ様に考えてしまうようです。
この相手は自分にとって一番良い相手なのだろうか。この相手と付き合っていて、先にどんな結末があるのだろうか。この恋愛は間違っていないのだろうか。と、考えてしまい、時に相手を責めたり、早く結果を求めたりしてしまいます。
つまり、好きとか嫌いとかはあまり関係が無いのです。どのような欠陥も完敗を意味するため、このような考え方に妥協の余地はありません。
完璧か完敗かのどちらかなのですね。
しかし、人生において、仕事でも恋愛でも完璧なことなどはほとんどありません。
ですから、現在のように自分の意思で行動が出来ない状況が続いて、自分自身の思い描いた結果にならないのではないかと感じると、自分は必要の無い人間なのではないかとまで考えてしまい、イライラし、憤慨し、落胆してしまいます。
完璧主義者は極めて批判的で暫定的なのです。誰に対しても世の中に対しても、自分に対しても何か物足りなさを感じやすくなってしまいます。
あなたは、「他人を感心させたい、他人を自分が喜ばせたい、羨ましいと思われたい、憧れの存在になりたい、尊敬されたい。」という、表面的なクオリティを重視していませんか?
人生に完璧なものなど1つもありません。
完璧なキャリア、完璧な結婚、完璧な子供など、存在しませんよね。
つまり、完璧な人生など存在しないのだと思いませんか?
まずは、間違っていても良いのだと思う事。
今は、何もしていなくても立ち止まっていても構わないのだと自分を赦す事。そして、この人が自分にとって一番では無くても、完璧な相手でなくても大好きなのだと相手に伝える事から始めましょう。
人の魅力とは、完璧だと思われる事よりも、たくさんの恥ずかしい事を経験して、それを自分自身で糧に出来る人、そして同じ思いをしている人の気持ちを悟り、癒してあげられる人なのではないかと思うのです。
自分自身に与える選択肢が少ない人は、人生の選択肢まで少なくしてしまいます。
それでも不安を感じたら、軽く目を閉じて、深く深呼吸して、気持ちが落ち着いたと思ったら、「私は大丈夫。私は私が大好きだから。」と、呟きましょう。
人は、大きくジャンプする前には、小さく小さく縮むものなのですから。