心理カウンセラーの風湖です。
私がカウンセリングをしているメンタルクリニックには、連日、様々な悩みを抱えていらっしゃる方が多く来院されています。
「私はすぐにネガティブな事ばかりを考えてしまいます。そうするとやがて心臓がドキドキして来て、何も出来なくなってしまいます。
先生、私はどうしたら良いですか。」
人の行動や思考は、脳からの命令です。
脳の中がネガティブな情報や記憶で埋め尽くされているのであれば、ネガティブな思考や行動を促す指令ばかりが発令されますから、そのような思考や言動になって行くのは当然なのですね。
つまり人は、「ネガティブな事に悩んでいる」のではなく、「ネガティブな情報ばかりでいっぱいになっている脳に悩まされている」のですね。
そして、そのような命令を出すひとつの原因として私は、「恐怖への防衛本能」があげられるのでは無いかと思っています。
「恐怖」は、生物にとって凄く大事な感情だと思います。
ですから、無理に避ける必要はありません。
しかし「恐怖」は、ご自身の記憶に残っていない経験が大人になってから影響を及ぼす事もあります。
あるいは、他人の経験に深く共感して自分の物にしているという可能性もあります。
「あらかじめ危険を察知して危なそうな場所へはなるべく近寄らない」とか、「ニューヨークは危ない街だ」とか、「いずれ大地震がやって来て、何万人も死んでしまう」とかの過去に聞いた事がある情報が疑似体験としてどんどん自分の中に蓄積されてしまって、時にそれが恐怖へと変わってしまうのです。
人の脳は、イメージしただけで本当にそうなると思い込んでしまいますから、何度も思い出す事によって、経験をした事も無いのにトラウマに変わってしまう事もあります。
脳は、思い出した時に記憶が不安定になりますから、冷静に分析してキチンと正しい形で記憶の中に再収納しないと、歪んだ形で書き換わったり薄れたり、時には大袈裟になってしまいます。
これは、成長と関係があるのだそうです。
新しい情報や状況に出会った時、脳はすでに持っている情報や知識に絡めて解釈しますから、それによってまた新しい知識や価値観を生み出して行くので、その情報の受け取り方には気をつけた方が良いのです。
より良い知識として成長させる為には、記憶をガチガチに固定してはダメで、柔軟に変形させて上手にポジティブな記憶に変換してゆく必要があります。
特に今は、ネガティブな事ばかりが情報として世界中に溢れています。
恐怖や不安を感じたりするその想像力は、決して自分だけではなく、人間ならば誰でも持っている能力なのです。
少しでもつらいと思ったのであれば、自分で抱え込む事をしないで、遠慮をせずに誰かに話して下さい。
話をするという行動は、悩みの8割を軽減させると言われていますから、大切な事なのですね。
共感して、同情して、協力して人は安心安全を感じるのです。
ネガティブな情報に負けずに、「大丈夫、大丈夫」と、顎を上げて参りましょうね。