心理カウンセラーの風湖です。

「トイレの神様」というヒット曲を知っていますか。

「トイレにはそれはそれは綺麗な女神様がいるんやで。だから毎日、綺麗にすれば女神様みたいなべっぴんさんになれるんやで。」

この言葉は、私が小さな頃から私の祖母が教えてくれていました。私の祖母は若い頃、静岡県の清水港という港町で芸者をしていて、当時地元では知らない人がいないと言われるほど才色兼備の人気者だったと聞いています。

ですから、年齢を重ねても心身共に美しく、私も自慢の祖母でした。そして幼かった私に向かって「トイレ掃除は毎日すると、綺麗な女性になれるよ。」と、いつも言っていましたね。

今でも私は、毎日トイレをピカピカに磨くのが日課になっています。習慣というか、なんとなく毎日やらないと気持ちが落ち着かなくなってしまいましたね。

タレントのビートたけしさんは、お笑い芸人としてだけでなく、映画監督としても世界的に有名になり、芸能界のトップとして活躍していらっしゃいます。

そんなたけしさんが、少し前にテレビ番組でこんな話をしていました。

「若い頃師匠に、トイレを綺麗に掃除しろと言われてから30年以上、ずっとトイレ掃除をやり続けて来た。
自分の家だけではなく、ロケ先や公園、時には隣の家のトイレ掃除もした。
俺が成功しているのは、トイレ掃除のおかげかも知れない。」

トイレ掃除をする事そのものは誰でもできる事だし、何か意味があるのかと聞かれたら、「そのトイレを使う時に気分が良い。」としか答えられませんが、私がひとつ証明出来る事は、自分の家のトイレの中に入ると気分が落ち着くと言う現実です。

何故か、ほっとするのです。

心理学では、「トイレ掃除をすると運が良くなる」とよく言われますが、私は本当だと思います。

トイレが汚いものだと思えば掃除が嫌になりますが、便器に愛情を持てばトイレは神聖な場所へと変わります。ですから、いつのまにか願いを叶えてくれる場所にもなるのではないかと信じて止みません。

自分が綺麗だと思えば綺麗になっていくし、そうでもないと思えばそうでもなくなります。
自分が運が良いと思えば、どんなに辛い時でも「私なら大丈夫」と、気持ちをポジティブに持って行けるものですよね。

私の祖母は、96歳まで生きて静かに天に召されましたが、最後に見た、棺の中のその美しい顔は今でも忘れられません。

既に亡くなっている祖母ですが、私なら祖母に近づく事が出来ると信じて、そして祖母がトイレにいてくれると信じて、私は毎日トイレ掃除をしています。