心理カウンセラーの風湖です。

今日から4月です。
桜も満開に咲き誇り、空気もだんだん暖かくなってきて、この季節になると私は、少しだけふと物思いにふける時があります。

学生の頃、百人一首を覚えた時がありました。そしてその時に私が一番感動した、そして若い女性にとってとても切なく響いた歌がありました。

「花の色はうつりにけりないたづらに わが身世にふるながめせしまに(古今和歌集)」

と言う、有名な歌です。

「桜の花の色は、むなしく衰え色あせてしまった、春の長雨が降っている間に。ちょうど私の美貌が衰えたように、恋や世間のもろもろのことに思い悩んでいるうちに。」

作者は、言わずと知れた小野小町(おののこまち。生没年未詳、9世紀ごろ)です。
伝説の美女で、平安初期の女流歌人としてナンバーワンとされる人です。小野篁(おののたかむら)の孫であるとか諸説がありますが、正確な経歴は分かっていません。

「若い頃は絶世の美女と謳われたが、老いさらばえて落ちぶれた人生のはかなさ」を歌っているとされていますよね。

色あせた桜に老いた自分の姿を重ねた歌です。かつて日本の美女を「小町」と言ったように、伝説の美女ですが、それは年をとるにつれて衰えゆく「無常な時間に敗れゆく美」を歌い上げたからかもしれません。ただ単に美しいだけなら、誰の心にも残りませんものね。

ただ、こんなに難しく考えなくても、「若かった頃は、私(僕)も綺麗だって言われてちやほやされてたなあ。いつの間に年とっちゃったんだろ」なんて誰もが考えますよね。

能などでは、老いさらばえて死んで荒れ野でドクロとなった小野小町が、現世に未練を残した幽霊として登場したりします。 

それほどこの歌が与えた影響は大きいのですが、要するに誰もが心に思っている「若かった頃にやり残したことへの悔い」をこの歌が表現しているからかもしれませんね。

年を重ねてくると時間の過ぎゆくのが早いですからね。若い人も相応の方も、遅いなんてことはないですから、今からでもやり残したことをはじめてみましょうね。