心理カウンセラーの風湖です。

「馬の鼻先に人参」と言う言葉があります。

視界の先に人参を吊り下げると、餌欲しさに馬がどこまでも走り続けるという例え話なのですが、本当に馬を効率よく走らせる事が出来るのかどうかは分かりません。

でも、モチベーションを高める為に"エサ"を用いる事は、私は良く日常生活において頻繁に行っています。

私の場合、毎日の心理学の授業の前には、「今日も生徒さん達を喜ばせられるような素晴らしいセミナーや授業が出来たら、帰りにコンビニに寄って月餅を買って帰ろう!」と、考えると気合いが入ります。(^^)

このように報酬を使う方法は、心理学では「外発的動機づけ」と呼ばれていて、古くから仕事の効率を高める手段として良く知られています。

実際に外発的動機づけが無いと学習能力が酷く落ちる事が確認されていて、動物に至っては全く学習しなくなってしまうケースもあると言います。

でも、報酬は目に見えるご褒美である必要はありません。何かをやり遂げたという達成感もまた外発的動機づけになるのです。

実際、何かを達成した時の「感激」は、十分な報酬になります。

「目標は高い方が良い。」と、言われますが、これはもしかしたら達成出来ずにむしろ挫折感を味わうことにもなりかねませんから、大きな仕事を成し遂げる為には、最終目標以外にも小さな目標、達成可能な目標を随時掲げて行く事が大切なのでしょう。

しかし、この報酬が金銭となると少し考え方が違います。

例えば、小さな自分の子供に対して母親が「お手伝いをしてくれたら100円あげる。」とか、「テストで100点取ったら500円ね。」など、お小遣いをご褒美にすることは、モチベーションを上げるというよりも、お金が無ければ何も行動しない人を育ててしまいますから危険な行為です。

私が、子供に対しての外発的動機づけとして良い方法だと思うのは、例えばお誕生日でも何でも無い日に突然に、「あなたはいつも頑張っているわね。お母さんはいつも見ていて感心しているのよ。実はお母さん、今日臨時収入が入ったの。大好きなあなたに少し分けてあげるわね。」と言って、少しお小遣いやプレゼントを渡す事です。

そうすれば、その子供にとって本当に嬉しい自分へのご褒美になるのではないでしょうか。

やはり大切なのは言葉のプレゼントですよね。

「一億円あげるから頑張れ。」と言われるよりも、「あなたがいつもしている事は素晴らしいですね。」と言われた方がモチベーションアップに繋がります。

私には、皆さんの暖かい言葉と、たまに買うコンビニの月餅が1番のご褒美なのです。