心理カウンセラーの風湖です。

ほとんどの人は、「自分を変えたい。」と思った事が一度や二度はあるはずです。そして、現在も「自分を変えたい。」と思っている人がたくさんいらっしゃることと思います。

「変わりたい。」と思う事は、「成長したい。」「進歩したい。」ということですから、心が健全な証拠とも言えるのです。

しかし、多くの人は、「性格を変える事は不可能。」と考えています。しかし、アドラー心理学では、「性格は、いつでも変える事が出来る。たとえそれが死ぬ一日前であっても可能である。」と、唱えています。

私の担当する心理学講座に通って来ていただいている生徒さんは、皆さん信じられないような速さで変わって行きます。しかし、当の本人は、それに全く気づいていないのが不思議です。

しかし、同じクラスメイトである他人の変化には敏感です。それを指摘されて初めて本人は「そう?変わっている?」と、驚かれます。
たとえ、洋服の趣味や音楽のセンスが劇的に変わっていても、です。

人の脳には「ホメオスタシス」(恒常性維持機能)と呼ばれる機能があります。その役割は、身体的にも精神的にも常に働いています。どういう機能かと言えば、たとえ外部の環境が変わっても、内部環境を一定に保とうとする働きをするものです。

例えば身体的には、気温が上がると汗をかくとか、寒いと感じると毛穴を収縮させて熱を保とうとするとか、血糖値が上がるとインスリンを放出するとかの、人が生きて行くために変化が起きはじめた時に、それを元に戻そうとする働きをするのです。

これは、精神的にも働きます。これまでの習慣と異なる事は危険だと感じ、先延ばしにしたり、意識的にやらない方が安全だと感じ、変わらないという選択をする事で心が安心するのです。

いずれにしても、人間を含め、あらゆる動物は、このホメオスタシスの機能のおかげで生き延びて行く事が出来るのです。

そして人は、自分の選択した事は常に正しいと考えています。これも「自己の維持。」や、「恒常性の維持。」に繋がるのかもしれません。

例えば、会議などで自分の意見を求められた時、なんらかの意見を述べたとします。その後に、反対意見が突然現れた時、たとえ自分の意見が違っていると感じてもすぐには意見を変えないのも、その様な脳の働きだからとしか言いようがありません。

ですから、人は「変わる」という事に対して怖いと思うものなのです。ですから、「変わろう」とせずに「気づこう」とした方が変わるのです。

人は、ゼロから一への進歩が一番難しいのですね。

しかし、これを知ってしまったからには、もう変わる時までもう少しなのです。

心理学は、宝箱をひっくり返したようなワクワクに溢れています。

あなたが、変わった自分を自分で確認する喜びを感じて下さる日がやがてやって来ます。

そんなお手伝いが出来たら私も幸せだと思っています。