心理カウンセラーの風湖です。

「私、今、終活しているのよね。」

久しぶりに学生時代の頃からの友人達に会った時、自分が死ぬ時の計画を立てておく、いわゆる「終活」の話題になりました。

気づけば私も53歳という年齢ですから、そういう話題が出てもおかしくない年齢なんだなぁと感じながら、ふと思い出しました。

「そういえば私、自分が死ぬ時にどうしようとかなんて考えた事もなかった。」

すると、友人達はみんな驚いた様な顔をして私を見て言いました。
「だってあなた、心理学を教えているんでしょう?だったら、人生の終わりに何を考えるのかとか、そういう勉強はしないの?」
と。

確かに私は、自分の未来のために必要な考え方とか、目標達成の為のプロセスなども教えているのですが、自分の人生の終わり方などは教えた事はありません。

友人達が言うのは、「もう人生も後半に入っているのだから、これからはいつ何があるのかわからない。まさかの時の為に子供や孫に何を残してあげるのかを考えてあげた方がいいし、お葬式の費用や、お墓の事などは子供に負担かけないようにしてあげなくては。」
との事でした。

人は、男女を問わず、45歳前後に更年期を迎えます。その頃を境に、今まで当然の様に自分の見ていた風景に変化が現れます。

自分の子供達は独立して家を出て行ったり、親が亡くなる事もあります。仕事もだんだん少なくなって来て、離婚や病気を経験する方も多くなるのがこの頃ですから、人生の幸せを感じる事も少なくなってしまうのですね。

すると、何となく自分はもう必要は無い人間なのではないかと考えてしまい、寂しくて気力も無くなってしまいます。
そんな自分の顔を鏡で見ると、疲れて笑顔も無く、なんだか凄く老けてしまった様な気がしますから、自然と人生の終わりを感じる様になるのですね。

しかし、私はそんな今だからこそ出来る何かを見つけて欲しいと思います。

子育て中に背負っていた親の責任も無くなり、常に誰かに向けていた見栄を張る必要も無くなりますから、筋肉は減っていても、精神的にはとても楽になるのではないでしょうか。

ケンタッキーフライドチキンの創始者である、カーネルサンダースさんがチキンの事業を始めたのは65歳の時だというのは有名な話です。

世界的なピアニストであるフジコ・ヘミングさんがその名を世界に知らしめたのは70歳手前の歳の頃だったそうです。
彼女はもう90歳手前だと言われていますが、今でも世界中を飛び回り、リサイタルをされていらっしゃいます。

まだまだ私など未熟者ですね。

私はまだまだこれから世の中の為に何が出来るのか試行錯誤していますから、死ぬ事など考えたくありませんよ。

それよりも、今、この時を大切にしてあげなくては、何処かで私を待っている人達に申し訳無いですよね。

死ぬ前に、思いっきり生きる。

これが私の目標です。