心理カウンセラーの風湖です。

私が担当する心理学講座には、保育士さんなど、小さな子供達と向き合う仕事をされていらっしゃる方も多いのですが、ある幼稚園の副園長をされている生徒さんから、こんな質問を頂きました。

「あるクラスに1人、先生の言うことを聞かない子がいるのですが、その子だけに注意をする方がいいのか、それともクラス全員に声掛けをした方がいいのか迷います。その子だけだとかわいそうな気がするし、全員に注意するのも何か悪い影響を与えてしまいそうです。」

私は、「その、先生の言うことを聞かない子を褒めてあげたら良いと思います。」
と、答えます。

まさに今、子育て中の皆さんも、同じ様な悩みを抱えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。

兄弟で同じ様に育てているのに上の子と下の子で性格もまるで違い、片方の子ばかり怒ってしまう。
上の子が学校に行かなくて困っていたら、下の子まで学校へ行きたくないと言い出して困ってしまった。

子育ては、本当にストレスがたまりますね。
親だけでなく、保育士さんや学校の先生をされていらっしゃる方も、皆さん神経的に疲れている方も多いと聞きます。

イライラがたまると、つい大声を出してしまったり、手が出てしまい、後で反省される方も多いのではないでしょうか。

しかし、叱ったり説教したり命令をしたりしても、事態はますます悪くなるばかりだと思います。
一般的な人間関係でも、叱られたり、誰かを叱ったりして気持ちが良い人などいませんよね。

では、どうせなら思い切り褒めてみたらいかがでしょうか。
多少大袈裟だと感じても、褒められて悪い気持ちになる人などいませんよね。

それは、子供達でも同じです。

「ずいぶん散らかしたね。いろんなことに興味があるんだね。同じ様に集められるかな?」
「今日のテストは良くなかったけど、伸びしろがある証拠だね。未来が楽しみだね。」

環境が人を作り、そして、人が環境を作ります。

「一隅を照らす者これ国の宝なり」

という最澄の言葉が私は好きです。

1人がロウソクで照らす事が出来るのは小さな一隅でしかないのですが、しかし、それに影響を受けた人が火を灯し、また別の1人がそれを繰り返す。そしてそれが1万集まれば国中が照らされる。

そういう考え方です。

「自分1人が変わっても何も変わらない。」
と言わず、自分の目の前の人を大切にするのです。
誰かが始めなければならないと思いますから、まずあなたから始めようとして下さいね。

貴方の周りの人を褒めてあげたら、その人は、躊躇なく誰かを褒める事が出来るようになります。
すると、またそれが連鎖して、笑顔が何倍にも増えて行くのです。

人は褒められると、お金を貰うより嬉しいと感じるのだそうです。

まず、今日から始めてみて下さいね。