心理カウンセラーの風湖です。

ご飯を食べる時に、好きな物から食べますか?
それとも、嫌いな物から食べますか?

この様な会話をする場面は、よくある光景かと思いきや、実はもう過去のものになりつつあるようです。
何故ならば、若い年代にこの質問をしてみると、
「嫌いなものは食べません。」
という答えが返って来る事があるからです。

現代では、その家庭にもよりますが、子供が嫌いなものは残してもあまり叱られないか、またはそれ自体が食卓に上がらない時代のようですね。
私達昭和の子供は、教育現場でも「食べ物を粗末にしたらバチが当たる」と言われて育ちましたから、学校給食などでも好きとか嫌いではなく、食べ物を残す事自体が罪悪でしたから、当時は、嫌いな食材をどのように攻略するかが給食の時間における最大の課題だった記憶があります。

ですから、まず嫌いなメニューを最初に食べ終わり、その後で好きなメニューを堪能させて終わる。とする子供もいれば、好きなメニューを最初に食べ終わらせてから、嫌いなメニューを我慢して食べるか、あるいは誰か食べられる人を見つけて代わりに食べて貰うという強者も現れて、その戦略は人それぞれでしたね。

そして、その戦略がやがて信念に変わり、大人になってからその信念はさらに強固になって、面倒くさく思える事、どちらかと言えば面倒な仕事や人間関係などを「後回し」にする行動パターンと、最初にやらなくてはならない事を終わらせてから好きな事に集中する行動パターンに分かれて行くのだと思いますが、それは、人それぞれ違っていて当たり前なのです。

しかし、現代は「嫌いなものは食べなくても許される時代。」
言い換えれば、「嫌いな仕事や、面倒くさく思える事を我慢してやらなくても良い時代。」
に変わって来ています。

何が正解だと言いたいのではなく、現代では、やりたい事があればまず最初にやる方が良い場合も多くあります。何故ならば、時代は目まぐるしく変わっていて、少し行動が遅くなるだけで、そのステージに乗り遅れてしまう場合もあるからです。

だからと言って、やらなくてはならない事をやらなくても良いと言っているのではなく、守らなくてはいけない事や、やらなくてはならない事はもちろんやる事を前提として、優先順位を決めて行動してみましょうと言う事です。

どうすれば正確な結果が得られるのかは誰も分からないのに、世間体を気にしたり、慎重になり過ぎて、やりたい事が出来るチャンスが巡って来たとしても、何も準備していないからそのチャンスを逃してしまったとしたら勿体ないですから、その戦略だけは最初から練って行く必要はありますよね。

「先生、私は将来、カウンセラーになりたいです。」
「先生、私は将来、小説家になりたいです。」
私は、心理学の授業中に生徒さん達に将来の目標を聞く事があります。心理学を学んでいる人達ですから、皆さんポジティブに将来を見つめ、様々な将来の夢を語って下さいます。しかし、私から、
「では、その目標の為に今している事、あるいはしようとしている事は何ですか?」
と言う質問をしてみると、
「それはまだこれから考えようと思っています。」
と、お答えになる方も多くいらっしゃいます。

やりたい事があるならば、後回しにせず、まずは自分の可能性を信じて何でもいいからはじめてみる。
そして、上手くいかないのなら、違う方法を試してみる。
そうして行動していく事により、自分により合った仕事や適正を見つけ出すきっかけになります。
そして、その行動力を評価して下さる応援者も現れます。

人の脳は「〜しなくてはいけない。」「〜してはならない。」と言う、否定的な表現を理解しませんから、「やりたくないけどやらなくてはいけない。」と、感じている事は、脳が拒否してどんどん「後回し」にして行きます。

だとしたら、表現方法を変えて言い換えてみませんか?
「夢を実現するためにやってみよう!いや、むしろやりたい!自分の可能性を見つけるために!」
すると脳は、自然にやれる方法を検索し始め、新しいアイディアをどんどん思い浮かべてくれます。

そうしたら、後は、正解不正解関わらずやってみる事です。心理学では、人間は、1度やり始めると続けたいという心理が働きますから、好きな事や興味のある事ならば尚更やり続ける事が出来ます。

例えば、部屋の掃除をする時、多少面倒くさく思っても、とりあえず掃除機のスイッチを入れたらなんとなく隅々まで綺麗にしたくなる、アレです。

そうすると、人は気分が爽快になって、やらなかった時よりもずっとポジティブになり、自分に自信がついて行きます。
失敗しても良いんです。トライ&エラーです。失敗したと言う事は、何かにトライしたと言う証拠なのですから。

変わる事を「後回し」にするよりも、変わらない自分に後悔しない為にまず最初にチャレンジして行きたいですね。

気分が爽快になったら、後回しにしてあった何かに手を付ける事も忘れてはいけませんけどね。
そうする事によって、さらに気づきを重ねて充実感が得られるのだと思います。

私も、思いついたらすぐに行動する癖をつけて行きたいと思っています。
何から手を付けて、何を後でやる。そんな風に考えながら生きていくように心がけたいと思います。