心理カウンセラーの風湖です。

先日、私の開催する心理学セミナーに参加していただいた女性の方から質問がありました。

ある、40代の女性の方です。
「私は、主人の仕事の関係で海外生活が長かったのですが、日本に帰って来てから少し気になった事があります。それは、日本人の中年以降の方が怒りっぽいのではないのかと感じる事です。表情も険しいです。何故なのでしょう?」

中年以降の方の大半がそうだと言う訳ではなく、欧米やアフリカなどの中年世代やシニアの皆さんは明るくユーモアに溢れているのに対し、日本人の皆さんの表情はどちらかと言えば険しい方が多いと感じる事があるという事なのです。

特に日本人だからと言う訳では無いとは思いますが、ある、アメリカのポーランド州立大学の心理学のある教授の研究では、人生の満足度を年代ごとに調査した結果、40代から50代の人々の満足度が1番低いという事が分かったそうです。

その理由としては、離婚率が高い年代だという事もありますが、子育てに関するストレス、仕事に対するストレス、さらに、ちょうど更年期に差し掛かる頃で、身体や病気に対する不安も感じる事も多かったり、頼りにしているはずの親も亡くなる方もいらっしゃいますよね。

さらに興味深い事は、慶應義塾大学の幸福学を研究しているある教授の調査では、その40代から50代を過ぎた、シニア世代と呼ばれる年代の方々の幸せ度が、欧米人はどんどん上昇していくのに対し、日本人はさらに下がって行くという現実が分かったと言う事だそうです。

確かに高齢者と呼ばれる皆さんは、死と向き合う事も多くありますが、若い年代の方々に比べると人生における経験を通して困難を柔軟に受け入れ、さらにそれらの困難に対して、どうすれば乗り越えられるのかと言う対応方法は良くご存知です。

それは、日本人も同じのはずです。
では何故、日本人のシニア世代の人生における満足度が低いのでしょうか。

それは、日本人の高齢者は独居老人が多く、孤独な生活を送っている方が多いという理由があるからではないかという事です。

高齢者だからというだけではなく、日本人は、誰かに相談するという事をしない、あるいは、親密な付き合いをなんとなく面倒だ、もしくは煩わしいと思う人が多いらしいのです。
それは、「こんな事を相談したら恥ずかしい。」とか、「貴重な時間をいただいて、迷惑だと思われるのではないか?」とかあれこれ気を使い、誰かと接触したいと思っても、諦めてしまう方が多いと言う理由もあるようです。

そんな寂しい孤独な高齢の日本人の心理を巧みに操り、さも「あなたが頼りなのです。」とばかりに近づいて、騙したりする悪い詐欺師の言う事を信じてしまうシニアの皆さんも多いのも、社会との結びつきの希薄さの証明しているのではないでしょうか。

調査によると、欧米人に代表される外国人と呼ばれる皆さんは、シニア世代になればなるほど、人との結びつきを大切にするらしいのです。
趣味や習い事、地域のコミュニティーや家族のつながりなどに1日の大半を使い、事あるごとにパーティーや食事会を楽しむ。
お金を使わず、気も使わず、手作りの料理やスイーツを持ち寄っては話に花を咲かすのです。

私達人間の幸せは、福祉の充実や生活費の安定ではなく、困った時や寂しい時に助け合う事が出来る人との繋がりが身近にあるかないかなのではないでしょうか。

人は産まれた時も、死んでいく時も、たくさんの人々の力を借りなくてはならないのですから、死は生の一部と考えると、遠慮して孤独になるよりも、嬉しい時に思い切り喜び合い、困った時に助けてと言い合える繋がりを大切にして欲しいと思います。

私もこれからはシニアに向かっていく年齢です。
いまだに元気ていてくれる両親にも頻繁に連絡する時間もさらに作って行きたいと思っています。

皆さん、仲良くして下さいね。
心理学をぜひ学んでいただき、コミュニケーションを楽しんでいただきたいと思います。

私も、お手伝いさせていただきます!
感謝します。