心理カウンセラーの風湖です。

今から4年前に16年間共に生きた猫を亡くしました。

これまでの人生において、こんな風に泣いた事は無いと思うくらいに大声で泣きました。
抱くといつもフニャンとして柔らかかった愛猫が、嘘みたいに硬く動かなくなった身体をギュッと抱きしめて、名前を何度も何度も叫びながら泣きました。

そして私は言いました。
「ありがとうね。ありがとうね。」

ペットロスで悩む人はたくさんいらっしゃいますね。中には、何年間も立ち直れず、思い出してはうなだれて涙する愛が溢れる方もいると聞きます。
大切な自分の内臓まで抉り取られたような虚無感に襲われて、気力も失くして、仕事をしていても家事をしていても自然に泣けて来てうずくまる毎日は辛く苦しいですね。

ある、ペットショップの店員さんが私に教えてくれました。
「ペットを飼うという事は、自分で他の人生を選ぶと言う事だと思います。明らかに違う時間がそこに流れるのですから。」

私の生徒さんは、
「ペットって、飼う人が自分で選んで飼い始めると思っているけど、実はペットの方が人間を選んで家に呼ばれているんですって。」
と、言っていました。

なるほどね。だって、一目見た時に運命を感じる事もあるからなぁ。と妙に納得しました。

それでも亡くなると悲しいし、亡くなる時の事を考えると、また再び飼う事にも勇気がいりますね。

そもそも悲しいと言う気持ちは一体どこから来るのでしょうか?

心理学では、人間の感情は4種類と定義付けられています。「喜び」「怒り」「不安」「悲しみ」です。

まず「喜び」は現在、過去、未来に向かう感情とされていて、時間軸の全てに当てはまる感情です。
「怒り」は現在、「不安」は未来に向かう感情。
そして「悲しみ」は、過去に向かう感情だと言う事ですね。

過去に失くしてしまった全てのものに対する、諦めきれない気待ちが「悲しみ」です。
恋人や、両親や、友達や、ペットなどへの別れに対するものなのですが、その他にも、引越しや卒業や退職などの人生の区切りにも自然に沸き起こる事もある感情が「悲しみ」なのですね。

だとしたら、ある意味、悲しみが湧き出るような出来事が起きたという事は、自分自身が成長をする時が来て、手放す事によって新しいステージに向かう何かを迎え入れる為に、準備をする時期になったから、悲しみは、私達の背中を押してくれているという事なのでしょうね。

だからこそ、感謝しましょう。

自分と同じ時間を過ごしてくれたペット達に。
そして、自分を成長させたくれた、その素晴らしい時間を与えてくれた相棒に。

私は、時々良い事があると空を見上げて囁きます。
「ありがとうね。」
と。

そして、私達はまた新しい何かを見つけて成長を続けて行く為に新しいペットを迎え入れるのでしょう。

きっと、その子との時間は、優しく穏やかに流れます。感謝しましょう。ありがとう。