性格について思う事。

心理カウンセラーの風湖です。

私は、毎日のように心理学の講座を開催させていただいているのですが、そこに参加していただいた生徒さんの中に、とても印象深い男性がいらっしゃいました。

40歳のカメラマンの男性。
山梨県から2時間ほどかけて週に一回、東京の教室まで通っていただいたのですが、全18回の講座の初日、授業の準備をしていた私に近づいてきて、とても小さな声で、私に声を掛けてくださったのです。

「あの、先生、今日からよろしくお願いします。
実は僕、凄い人見知りなんです。皆さんの前で何か発言するとか、質問等も振らないで欲しいんです。」
と、言われましたので、私は、
「そうですか。分かりました。無理に何かしなければならない事はありませんから安心して下さい。」
と、答えました。

彼は非常に真面目で勤勉な方でしたから、毎回休まずに、朝1番に教室に来てくださいました。
最初から人見知りだと宣言しておりましたから、他の生徒さん達とは会話もせず、孤立してしまうのかなと心配しておりましたが、何回か通って来ていただいているうちに、他の生徒さん達ともだんだん打ち解けて来て、お昼休みなども笑顔で会話もする姿も見られ、安心したものです。

心理学を学んでいるうちに、だんだんとネガティブな考え方から、ポジティブ思考に変わって来た事もあるとは思いますが、周りの皆さんがとても優しく明るい方達ばかりでしたから、次第に同じ様な表情に変わり、影響を受けながら変わって行きました。

性格というものは、ほぼ100%遺伝や先天性のものだと考えていらっしゃる方も多いと聞きますが、実は、この世に誕生してからの周りの影響が半分くらいを占めている事が分かっています。

性格という言葉は、英語ではパーソナリティと言い、その語源は、ラテン語のペルソナから来ていると言う説もあります。
ペルソナとは「仮面」を意味していて、その場その場で付け替える事が出来るのだと言う意味だと言うのです。

つまり私達は、育って来た環境の中で自分の生きやすいように性格を自分で選んで演じているうちに、その演じている自分の姿を自分の性格だと思い込んでいるだけなのではないかと思うのです。

心理学を学ぶ事で、その仮面の下の本当の自分に気づき、新しい人生を歩き始める事が出来たら素晴らしいですね。
私は、全力でそのお手伝いを日々させていただいているのです。感謝です。

ちなみに、その40歳男性の生徒さんは、最終日には非常に明るい笑顔を見せて下さり、なんと他の生徒さん達の前に堂々と立ち、約30分ほどプレゼンをしてくださいました。
まさに別人に生まれ変わり、私も感激いたしました。

新しい人生に乾杯ですね。

私も負けてはいられません。まだまだ新しい自分を探して歩み続けるつもりでいますから。