心理カウンセラーの風湖です。

友達は、いますか?

こういう質問をすると、大抵の方は言います。
「あまり、いません。」

心理学では、本当に親しく付き合って行ける友達は1人から2人、多くても3人と言う考え方もあるようです。

SNSなどで繋がる友達というのは、多ければ多い程モチベーションアップにもなりますから、なんとなく嬉しい気もしますが、脳が使うエネルギーが違うので、本当の意味での友達とは少し違うような気がします。

小学生に上がる時、良く歌った、
「友達100人出来るかな〜♪」
と言うフレーズは、いつまでも頭に残っている方もいらっしゃると思いますが、実は私もこの歌に悩まされた1人です。

と言うのも、私は子供の頃、かなりマイペースな人間で、(別名捻くれ者?)友達と遊ぶよりも1人で絵を書いたり本を読む事が好きでしたから、よく母に、
「友達とたくさん遊びなさい。」
と、言われたものです。

学校でも同じように、休み時間には友達と外へ出て遊ぶよりも図書室で本を読んだりしていたものですから、先生が仲間外れにされているのではないのかと心配して、同じクラスの女の子を校庭から呼んで一緒に遊ぶ様に促してくれたりしました。

私の母や姉は、かなり外交的で優しく、気を配り、いつもたくさんの友達の話をしていましたので、子供心に、「友達の多さが、その人の価値の高さ」の様な気がして、自分の性格が歪んでいるのではないかと少し悩んだりしました。

それでも高校生になってから、友達を作ろうと頑張って、3人のグループの中に入れてもらい、いつも一緒に遊ぶ様になりました。

そして、私が心理学を学び始めた頃の事、私が何気なくその3人の友達の話を題材に、人間関係のプレゼンした時があり、私は、友達の素晴らしさを得意げに話をしました。
話終わった後、私の先生は一言、
「その友達とは距離を置きなさい。」
と、おっしゃったのです。

私はドキッとしました。
やはり、先生には見透かされていたのだなと思います。

少し前に読んだ本に、
「貴方の周りの5人の平均があなた。」
と言うフレーズがありました。
つまり、自分の付き合っている人達がそのまま自分の鏡なのだと言う事です。

人間の脳には、前頭前野の部分にミラーニューロンという物質があり、目の前に写る物を真似したくなるという特徴があるようなのです。
生まれたばかりの赤ちゃんは、そのミラーニューロンの働きで少しづつ大人の真似をしながら言葉を覚えたり歩いたり、成長を重ねていくのだそうですが、大人には時に、マイナスに働く事もあるようです。

だからと言って私のその友達が悪い影響を与えていると言う訳ではなく、私がその友達の真似をして、個性まで潰している事を先生は教えて下さったのではないかと思います。

ちょうど良い距離で、お互いを高め合う事が出来る様に影響を与え合う関係。
それが良い関係だと思っています。

あらゆる人間関係に当てはまるのではないから思いますが、まずは自分の気持ちを大切にすること。
無理せず、自分1人の時間を楽しみながら、たまに同じ時間を共有できる気持ちの良い関係。

その友達とは、今でも仲良しです。
今は私だけ東京で1人暮らしをしていますが、年に何回か会って楽しんでいますから。